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round - 77
「人類を救えたんだぞ!!?有史以来、人類史上初めて!誰ひとり不孝にならず、誰からも不平不満の出ない!全ての民が平等なパラダイスみてえな素晴らしい世界の建設を、完璧完全な管理社会の実現を!あと一歩だったんだ、人類を救えたのに!!!!」
はい、おめでとうございます。
やること終わりましたしもう帰りたいんですけど、明日会社だし。
状況を判断して仕事を切り上げ、無駄な残業をしない。
宇宙時代のビジネスマンの基本中の基本です。
「そのお前らの『明日』を守る為にやってやってるんだ!貴様…ッ…、今すぐ殺してやっ…!」
大柄な方は最後まで言えず、床に空いた落とし穴に、見事に落ちます合掌チーン。
「馬鹿な、この私がこんなところで…馬鹿なァーッ!!!」
宇宙の穴に吸い込まれていくその右の手の掌の甲に、大きく目立つ傷痕ひとつ。
はあ。
僕そういうの興味ないんです。
早く帰りたいんですよ。
明日会社なんで。




