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「それはもちろんなんですが。『宇宙機動要塞トランプ』側にどうあっても回収しなければならないものがあるのではないですかな?それこそ我々、僅か14人で全宇宙を裏から支配すると噂される宇宙海賊組織、通称『フォーティーン』の悲願達成に絶対必要なものが。」
大柄な影の穏やかな声、小太りの影は首を傾げて「(なんだっけなあ)」考える素振り。
「あー『アレ』かぁ。『宇宙機動要塞トランプ』側に移動してるんだっけ。そうそう、スゴイ=デカマラー教授の装置が届いたら接続する予定だったね。僕が行くよ?ウチのベンダーくんが警備してるし、ソニックぅ君も来るだろうからね。」
小太りの影は用心深い。
大柄な影に余計な真似を、させじと自ら申し出る。
「私もいきますよ。我が社の社員が例によって無茶をやりそうですからな。」
「変な部下を持つと苦労するよねえ。お互い。」
ふたつの影はハッハと笑う。
お互い晒さぬ胸のうち。




