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round - 55
「一応、世界一腕の立つ殺し屋らしいし。ワンチャン『5人のギャング』の誰か一人と相討ちにでもなってぶっ殺してくれないかなあ…とか期待してたんだけどねえ。最後まで1ミクロンの役にも立たなかったねえ。」
闇の中。
小太りの影がため息を吐く。
大きく揺れた首の反動、余った顎肉タプンと揺れる。
「湯川専務さあ。お疲れ?」
「あ、いえ。私は。」
小太りの影に不意討ちで話を振られた大柄な影。
若干の。
動揺をうまく隠す能わず、思わず言葉を濁らせる。
「…だからさあ。『だからこそ』じゃん?我々、僅か14人で全宇宙を裏から支配すると噂される宇宙海賊組織、通称『フォーティーン』の悲願が達成されれば、そういう何もしないくせに文句ばっか言って、やれ権利だ平等だ。聴こえのいいことばっか主張する僕らの大嫌いなうんこたれのコンチクショーどもなんて、みんな。」
小太りの影のハンドジェスチャー、親指下げて地獄行き。




