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round - 54
「まあ、実際。我々、僅か14人で全宇宙を裏から支配すると噂される宇宙海賊組織、通称『フォーティーン』とか大層な名前名乗っててもさ、働いてるのって僕と湯川専務のふたりだけだからねえ。他の連中なんて外野でワーワー言ってるだけの数あわせだし。」
小太りの影が手近に座った<当番>の男の頭をパーン!とはたく。
反動で、余った肉がタプンとゆれる。
その対面に鎮かに佇む時代にそぐわぬ西洋甲冑。
小太りの影が「あ!」と慌てて取り繕うよう言葉を加える。
「そうそうそう、そうだよねえ。ナイトインアーマーくんはよく働いてくれてるよねえ。僕と湯川専務と、アーマーくんの3人だ!」
「…………………。」
座して語らぬ西洋甲冑、その胸中は何を思うか。
「ハー!」
闇の中、「俺も!」とおかしな奇声があがる。
小太りの影が無言でポッチと手元のボタンをスイッチオン。
おかしな影は宇宙へ落ちてく。




