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round - 42
細ッと口元を緩めた瞬間。
漏れでてきたのは微笑みではなく。
朱くねばつく血泥のカタマリ。
胸臓に空いた穴から流出れ。
胸に溜盛った血泥のカタマリ。
二度、三度と咳込んで。
周囲に咲誇る大輪の朱。
そうだよな。
奇跡は、二度と起こらねえから奇跡なんだっけか。
自嘲気味に嘲笑おうとして、今度はちゃんと呼気が漏流る。
なんだったかな。
俺は。
なにかをやらなきゃならねえんだ。
なんだったか。
よく思出せねえが。
それだけはやらなきゃならねえ。
約束、なんだ。
あいつらとの。




