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round ‐ 39
「……ッ………ナ……。」
ターゲットの唇が微かに動き、ボソッとなにか言葉を発した。
「ハー?」
調子に乗っていったおかしな男は、不意の反撃に目を丸くする。
「ハー!ナンデエ、マダイキテヤガッタ!マッタクセイメイリョクダケワゴキブリナミダナ、ハー!」
おかしな男が嘲笑い、ボソボソ呟く長髪のスナイパー。
ターゲットに耳を近づける。
「ハー!イイタイコトガアルナラオトコラシク、ハッキリイッタラドウナンダ、ハー?………ハー……?」
煽りながらもおかしな男は、かつて似たような場面があったと猛烈なデジャビュに襲われる。
なんだったカナと首を傾げるその前で、長髪のスナイパー。
ターゲットの体がゆっくり立ち上がっていく。
そう。
百発百中のスナイパー、ターゲット。
理由は不明であるが。
彼には。
『銃で撃たれるとキレて狂暴人間に変貌する』という奇癖がある。
「俺に…当て…やがったなッ!!!!!!!」




