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round ‐ 21
静怪だな。
あたりの空気は固く凍応って、沈とも音がしやがらねえ。
眼鏡の馬鹿は俺たちがここに無事たどりつけたこと自体が敵さんの想定外だとか、もっともらしいこと説ってやがったが。
まして、馬鹿の馬鹿は敵さんが、俺たちに恐れをなした~なんて妄言ってやがったが。
俺はそこまで能天気じゃねえ。
いくら間抜けないつもの楽しい宇宙海賊組織だって、さすがに侵入に気づいた頃合いだろう。
この静怪さは『なにかある』。
固く凍応った空気のなかを、警戒しながら俺は進く。
さていったい、鬼がでるか、蛇がでるか。