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round ‐ 11
宇宙の闇の暗闇に。
新たに生まれる太陽ひとつ。
無数の火矢を受けてあつめて融けて雑ざって大きく爆ぜて、いまは晄々宇宙に瞬く。
光りの球が闇照らす。
『艦砲一斉射、全弾着弾…命中!目標、襲撃者の宇宙戦艦轟沈!反応完全に消えました!』
ジャスティス合衆国宇宙軍衛星軌道艦隊旗艦、『グレートバイデン』ブリッジに立つ。
艦隊司令ブレックス准将、その耳許に報告上がる。
「艦隊の被害は。」
「損耗率23%!撃沈4!航行不能6、その他損害多数!」
ふぅとため息ブレックス准将、哀しげな目を脇に逸らしてひとり宇宙の闇に問う。
「勇気ある若者たちよ…諸君はよく戦った、しかしこれが現実だ。強大な国家という力の前に君たちはあまりに無力、だが諸君らは戦った。望む場所へは行けたかね…?」
闇にひとり、准将敬礼。
『味方の損害は艦隊司令、ブレックス准将の乱心によるものがほぼ全てです!』
レーザー通信聴こえていない。




