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round ‐ 9
「『その名前を聴いた者は生かしてはおけん』ってもう、馬鹿!もうなんなの?ねえ。ふつうわかるでしょ、『そういうことじゃねーよ』ってさあ、てさあ!!ギャグ?ふざけてんの?ねえ、ホントボケちゃったの?おじいちゃんボケちゃったの?ねえ!?」
小太りの影が地団駄地団駄。
悔し恥ずかしその場足踏み、余った肉がタプンタプンと弱重力下にゆっくり揺れる。
「やはり案外、侮れない相手…。」
「じゃないよ!!こっち陣営がお馬鹿なだけでしょ!」
大柄な影の穏やかな声。
遮り喚く小太りの声。
いとかしましく宇宙に響く、闇の銀河に呑まれてく。
「もう、もう、もう、ねえ!?本当なにやってくれてんのあのじじい。あー!もう!いいよ、艦隊の指揮は僕が執るから。ねえ君聴こえる?指示出すね?敵対戦艦消滅させろ。以上!!」
小太りの声の小太り指令。
宇宙空間隔てて跳んでく。
ゆらゆら揺れる天球儀。
小太りの腹もよく弾む。




