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『えー、オホン。こちらはジャスティス合衆国衛星軌道艦隊。艦隊司令のブレックス准将である。なにっ。カメラに近すぎる。どれがカメラなのかな。フム。おお、これか。逆?ではこっちか。近すぎ。フム…?難しいものだな。』
受話器の向こう、モニターの中。
尻と股間が行ったりきたり。
壮年男性の悲しさゆえの、機械音痴が跋扈する。
『なにっ。これか。そんなに怒らなくてもいいだろう…オッホン。ええ、謎の戦艦に告ぐ。謎の戦艦に告ぐ。こちらはジャスティス合衆国衛星軌道艦隊。艦隊司令のブティック准将である。貴艦は当国の領宙を侵犯しておる。警告する、貴艦は当国の領宙を侵犯しておる。所属ならびに官姓名を明らかにし、ただちに武装解除、投降せよ。抵抗の意志が見られた場合、当方は貴艦の撃沈も辞さない。繰り返す。当方は貴艦の撃沈も辞さない。武装解除し、投降せよ。』
受話器の向こう、モニターの中。
股間は滔々喋り続ける。




