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「では艦長、ご指示を。」
眼鏡のエンジニア。
ラジオコントロールが眼鏡をクイッとやる。
「ウム!」
止まらない男。
ノンストップ・ラヴェンダーが艦長席に怒臀据わる。
あの体格のいい艦長が、怒臀座った艦長席だ。
彼には少し大きすぎ、パパの社長の椅子に座ってはしゃぐ成金息子の如し。
「ゲッちくん。打ち上げまでの残り時間はあとどれくらいカネ。」
「俺かよ。永っと、どれだ、逢…おう、ジャストあと10秒だ…で、ございますよ艦長、左様。
「ふむ!ではカウントダウンを開始したまえ。」
「俺かよ。10!9!8!」
「諸君。当艦は只今から遥か天宙星の海、決戦の地へと向かう。死ぬな、とは言えん。死ね、とは言わん。ただ、諸君は最高のクルーだった。それだけを伝えたい。」
「7!6!」
止まらない男。
ノンストップ・ラヴェンダーの長口上が止まらない。




