1284/1502
8 - 443
「第三艦橋に賊が侵入!高速で艦内を移動中…第一艦橋を目指していると思われます!艦内、賊に対し防衛行動、依然応戦中、サー!」
『最後の』打ち上げ最終段階、飛び立たんとする宇宙戦艦。
空から降った流星が如く紛れ込みたる異の分子。
巨大な戦艦の免疫機能が病原菌を排除にかかる。
メインブリッジ・第一艦橋。
通信中のオペレーターは、事細やかに戦況報告。
彼の上司にサーと言う。
「フン…愚か者め。大方この第一艦橋を制圧して『最後の』打ち上げを阻止しようという腹なんだろうが既に遅いわ。『最後の』打ち上げは既に最終段階…仮にここまで攻め込んで来たとて止められん。おい、第三艦橋隔壁閉鎖!連中もステキな宇宙旅行にご案内して差し上げろ!」
艦長席に怒臀かまえた体格のいい艦長が、皮肉まじりにフフフと嗤う。
オペレーターはサーと言う。




