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宙に浮かんだ変態紳士の肌に拡いた無数の孔に、ポゥと灯るは蛍の光。
首から下げたネクタイ状のマルチコネクタがバチバチ逆立ち。
大気の中の荷電粒子を避雷針のように集中させる。
「荷電粒子チャージ完了。拡散ホーミングレーザー射出、パスコード…?またですか。さすがにロックかけすぎでしょう。ME・GA・NEっと。意味あるんですかねこれ、全部同じだし。」
眼鏡のエンジニア。
ラジオコントロールがタッタッタッと画面をタップ。
もはやお馴染みパスコード、MEGANEを以てセーフティオフ。
危険兵器が音もなく地上へ向けて照射さる。
次々刺さる光の柱が阿鼻叫喚の地獄を創る。
ミサイルと、レーザーによる面制圧。
過剰火力の二波攻撃にさしもの守備隊精鋭たちも。
成す術もなく沈黙さりる。
黒のオバマは疾り去る。
やがて近づく小山のような、黒い船体宇宙戦艦。
てらぼらけ。
朝陽のなかに黒光り。




