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「このデザインですか?これがですね。なかなかどうして、機能的になってまして。頭のシルクハット部分はレーダードーム。排除対象:生態反応、なあんて設定を致しますと…パスコード?ME・GA・NE…っと。」
長髪のスナイパー。
ターゲットの乗るオバマの屋根は、今現在も超スピードでどんどん離れて疾走っていくが。
業界No.1シェアを誇るクライスラー社の特殊車『輌』は。
高感度3000倍マイクとスピーカー搭載。
ふたりの会話は成り立っている、その設定に破綻はない。
そして長髪のスナイパー。
ターゲットは耳に聴こえた単語。
『排除対象』、『生態反応』。
それらに嫌な予感を抱き。
「徴…!待てよ!!」と叫びをあげる。
世は儚くも残酷だ。
「通常弾頭なんで。手加減はしてますよ。」
眼鏡のエンジニア。
ラジオコントロールが眼鏡をクイッとやる。
宙に浮かんだ変態紳士が大きく両の腕挙げる。




