118/1502
2 - 71
百発百中のスナイパー、ターゲット。
理由は不明であるが。
彼には。
『銃で撃たれるとキレて狂暴人間に変貌する』という奇癖がある。
「俺に当てっ!俺に当てっ!おおお俺、俺、俺に当て、俺にやがって、やがって!やがって!やがって!やがって!やがってYO!」
もはや文章として意味をなさない叫びを、DJの揺らすレコード盤のように繰り返しながら。
ターゲットは変な男を滅多打ちにする。
自慢の対戦車ライフルの銃身はヒン曲がり、鉄パイプとしてすら使用に耐えないような状態になりつつある。
これではもう。
どちらが変な男かわからない。
「…そろそろ止めますか。」
ラジオコントロールが眼鏡をクイッとやる。
「そうですね。」
止まらない男。
ノンストップが懐をまさぐる。
ポケットの中からビスケットがひとつ。
「やっちゃってください。」
差し出されたお菓子をバリボリバリと噛み砕き。
半裸のソニックが立ち上がる