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「あなたは先ほどまで何度も長髪の方を一方的に殴っていた気がするんですが。まあ、気が済んだのならそれでいいです。」
うん。
ありが、とう?
眼鏡くんが眼鏡くんをクイッとやるね。
眼鏡の君は話の通りがよくて非常に助かります。
慧眼鏡ってやつでしょコレ。
慧眼鏡キタコレ。
「おッボェ。ゲェエ、うぉブ。」
「ハッシャシマス?」
「とどめを刺すのはやめてあげてください。ただでさえまずい状況なのに、さらに変死体が増えては厄介ですので。」
うん?
そういえばなんかまずい状況なんだっけ。
よくわかんないうちになんか全部なかったことになってて、ボクたちテレビみてたんじゃなかったっけ。
「毎度ながら都合よく記憶がリセットされているようですね。そこから非常にまずい状況を作り出したのはあなたなんですが。自分にとってマイナスな情報は即座に忘れられる、ビジネスマンに向いてますよ。」
うん。
ありが、とう?




