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「イグザクトゥリィ。たしかに『アレ』は謎のロボットとしか言い様のないオブジェクトではありますが。しかしてこの宇宙時代、自立行動するロボットなぞとっくに日常に溶け込んでいますし、なんなら僕の隣にだっています。『一酸化バリトンニューム動力機関搭載の謎のロボット』でも『車両』でもなく、あくまで『車輌』という呼称に拘る理由…察するにまた、我が社が関与しているというところですか。」
「イグザクトゥリィ。『組織』がプロジェクトを進めるにあたって、その製造ラインのベースは某大手『車輌』製造販売企業のものを用いていたのですが。御社からは『車輌』、そこだけは譲れないという強い申し入れがあったようですな。ところで眼鏡の君は何かと事情に詳しいようですが。その口ぶりから察するにクライスラー、もとい某大手『車輌』製造販売企業の社員の方ですかな?」
「失言でした。忘れてください。」
イグザクイッ、眼鏡クイッ。




