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「すると…例えばですが。そこでしきりにピコンピコーン言って発光を繰り返してる長髪の方と、そこの謎のロボットの方、それぞれの体内に一酸化バリトンニュームが存在するとして。二人の一酸化バリトンニュームが共鳴現象を起こした場合、ロボのように精密精巧なスナイパーと、熟練のスナイパーの技術をもった長髪のロボットが出来上がる。そんなこともあり得るわけですか?」
「毛は生えませんな。」
「生えませんか。」
「さよう、毛は生えませんが。しかしながらそういった人間のもつ熟練の『技術』のようなものも、『情報』として機械に共有させることができる。理論の上ではそういったことも可能ですな、おや。眼鏡をクイッとされていますが、何か心当たりでもおありですかな。」
「あ、いえ。『理論の上では』可能というのは?」
「はあ。人間の体でそれをやった場合、普通であれば死ぬということです。」
モガッモガッ。
モガ?
モガー。




