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「よろしいですかな。世にあるモノというのはおしなべて、生物・物体の違いなく。すべてが何らかの『情報』を有しております。物体を構成する原子の構造、生物の遺伝情報、はたまた我々人間のもつ記憶。そういった様々な『情報』が一酸化バリトンニュームの共鳴現象によって『共有』されるのです。例えばaをゴリラ。bをバレンシアオレンジとしますな。そのaとbが含有する一酸化バリトンニューム同士に共鳴現象を起こさせた場合。aとbのそれぞれ持つ『情報』が『共有』され、aはバレンシアゴリレンジに。bはオレンジゴリラになるというわけです。」
「『同じもの』になるわけではない?」
「はあ。眼鏡の君は鋭いですなあ。さよう、あくまでベースとなるのはもとのaとb。バレンシアオレンジの情報をもったゴリラと、ゴリラの情報をもったバレンシアオレンジができるわけです。パナマ運河です。」
モガッモガッ。
モガッモガッ。
モガー。




