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「『例の組織』とクライスラー社、おっと、某・超大手車輌製造販売企業…ですな、が共謀し。その生産ラインを用いて夢の新動力、一酸化バリトンニューム機関の量産を進めていた経緯はいま、彼の話していた通りです。結果、未完成で制御不能な一酸化バリトンニューム機関を搭載した欠陥車輌が大量に造られてしまい、クライス、おっと、某・超大手車輌製造販売企業は苦肉の策として『そういうクルマです』という事にして売り出すことにした。だが、その過程で意外な副産物があることに気づいてしまったのです。」
「副産物…てぇと?教授。」
「『ムーンロケット』のもうひとつのウリであった遠隔操縦機能…ですね。それの実験に用いられていたのが僕らのオバマだったはずです。」
「はあ。話が早くて助かりますなあ。」
わかってるふり眼鏡ハゲっち。
わかんないチャン僕たち三人。
三対三で数は一緒だ。
互角だぜ。




