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ブゥウッ!
ブリブリブリブリ!ブリブリブリブリ!
唸るエンジンはやがて。
ブゥン。
静かに止まる。
「ハー?」
変な男と太った男。
ポカンと顔を見合わせる。
穴蔵の闇、その深奥から。
キュルルル、キュルルルルと擦るような音。
キュルルル、キュルルルル。
キュルルル、キュルルルル。
キュルルル、キュルルルル。
アーッ!とイラついた声、ガンとダッシュボードを叩く音。
「…まあ。かなりの年代物…だからなあ?」
太った男が呟くように漏らす。
キュルルル、キュルルルル。
数十度ものトライの果て。
ブゥウッ!ブリブリブリブリ!ブリブリブリブリブリブリ!!
遂に唸るようなエンジンの叫び。
再び高らかに響き渡る。
すっかり退屈し、座りこんで「しりとり」に興じていた変な男と太った男。
やれやれやれと立ち上がり。
「ナッ!ナンダッテー!!」
異口同音に叫びを上げる。
意外と付き合いのよい男たちである。