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「新しいモノを作るときは事後の処置というか。アフターサービス?ってやつも考えなきゃねえ。自動車屋さんとおんなじで、ユーザーの立場になって考えなきゃねえ。」
闇の中。
なきゃねえ、なきゃねえと小太りの声。
皮肉混じりに木霊する。
「フッフ。これは弱りましたなあ。」
闇の中。
ましたなあ、ましたなあと穏やかな声。
苦笑混じりに木霊する。
「…しかし。それは教授ご本人にしか出来ないことですかな?言ったようにテクノロジーは既に我々の手にある。発明には悪魔の科学者と称される天才の頭脳、世界最高峰、第一人者の知識が必要であっても、管理運用においてはその限りではない。おっしゃる通り我々には、時間も労働力もそれこそ無限にある。装置さえ完成してしまえばね。あとはよほどの馬鹿かカボチャでない限りはやっていける仕事でしょう。違いますかな?」
「アイスクリームぅ。」
闇の中。
痩せた影がとりあえず答える。




