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「もうね、どうするの。スゴイ=デカマラー教授まで一緒にふっとばしちゃってさあ。悪魔の科学者だよ、一酸化バリトンニューム工学の第一人者だよ?教授の頭脳はこれからも僕らにナニかと必要だったのに。もう、馬鹿の馬鹿の馬鹿。お馬鹿馬鹿。お馬鹿馬鹿のバジルソース和えだよ君は!」
闇の中。
小太りの声が、ぶるぶる震える。
いやにやたらにリズミカルに、顎に余った肉の鳴る音。
タプタプタプと響いてく。
「…で、装置のほうは問題なく完成できそうなのですかな。」
闇の中。
穏やかな声が語りかける。
大柄な影、その掌の甲に、斑のように大きく目立つ古傷ひとつ。
「問題ないよ。さすが教授のデータだからねえ、馬鹿でもわかるようにしっかりまとめてあったよねえ。あとは、それを使う側の問題じゃない?よほどの馬鹿かカボチャじゃなけりゃ、装置は完成できるよねえ。」
小太りの影が、恨めしそうに。
痩せた影を、睨めつけている。




