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「おい。」
半裸の筋肉サイボーグ。
ソニックがその重い口を開いた。
いつもの通りに彼の台詞は、「腹が減ったぞ」とは続かない。
実際、彼は腹がいくぶん減ってこそいる状況であるが。
今はよほど、空腹以上に気になることが彼にはあるのか。
立ち塞がったその姿のまま痩せた男を見下ろしている。
「ぅうあ、あ、アイスクリームぅ。アイス、クリームうはあ、いかが、ですかあ。」
痩せた男が唄うような、独特の節でアイスを勧める。
「俺はお前が来いというから来た。何か俺に用があるんじゃないのか。」
半裸の筋肉サイボーグ。
ソニックは完全にアイスを無視し、痩せた男を見下ろしている。
「ぅうあ、あ、アイスクリーム、うぅ。」
「会話は無理っぽいですね。例によって完全にラリってますよ。」
「うん、だからもう帰ろうね。ね?オッサン。」
「ハッシャシマス?」
半裸の筋肉サイボーグ。
ソニックは腹が減ったなと考えている。




