第3話 ディッシュ・バイ・フォース(後編)
「おう、邪魔するぜぇ―――へぇ、片田舎にしちゃ良い雰囲気の店じゃねえか!」
野卑な声だった。少なくとも常連客ならばこんな騒々しく入店してこない。
入ってきたのは重厚な鎧を纏った大柄な男たちだ。それぞれの腰や背中には、大剣や矛などの武器を抱えている。武器にも鎧にも統一性がないので、傭兵か冒険者だろう。
そこまでアルが予測したところで、先ほどのロヴとの会話が蘇った。悪徳行商団が護衛のために雇っているという、中規模の傭兵団。来店したタイミングからも、こいつ等がそうである可能性は高い。何より、目つき顔つきがよろしくない。民の守護や誇りのために戦う騎士たちの精悍な面構えからは程遠い、刹那の衝動と欲望のためならば他人を踏み躙ることを全く厭わない、小鬼じみた下卑た人間の面だ。
「おおおお!!?」
先頭に立っていた髭面の大男がリリーを見つけ、顔を喜色満面に染めた。盗賊が獲物を見つけた時のそれとほとんど変わらない、怖気を誘う笑顔だ。
「何だよ何だよえらくツイてるじゃねえか俺たち!適当に入った店に、こんな別嬪の嬢ちゃんが居るとはよォ!」
「ほおどれどれ―――うおお、マジだ!かなりの上玉だ!どっかの貴族の落胤ですかねぇ兄貴!?」
「ヒュウ、仕事前の良い景気づけになりそうだぜ!」
合計で6人の傭兵がドカドカと入り込み、カウンター席を我が物顔で占領する。アルはそっと彼らの背後に回り、いつでも剣を抜けるよう戦闘態勢に入った。
「いらっしゃいませお客様。ご注文は?」
リリーはいつも通りの接客だが、笑顔がやや強張って不自然なものになっている。
「決まってるだろ、酒だ酒!ありったけ持ってきな!」
「肴もだ!これで足りるだけ作って、俺たち全員に酌しな嬢ちゃん!」
真っ先にリリーを見つけた髭面の男と、牛頭の獣人が、金が入っていると思しき麻袋をカウンター内に乱暴に投げ入れながら声高に要求する。リリーはその麻袋を拾って、丁重に返しながら頭を下げた。
「大変申し訳ございません。当店では薬酒以外のお酒はお取扱しておりません」
リリーの言葉にアルが静かに頷く。
「いぬごや」で酒類が売られていないのは、常連客なら周知の事実だ。ここは酒場ではなく喫茶店であり、馬鹿騒ぎするような空間ではない。軽食や紅茶を嗜みながら、時には一人静かに、時には居合わせた人や店長と語らいながら、穏やかな一時を過ごす場だ。酒など場違いでしかない。唯一あるのはデザートの材料や料理の香り付けに使う分と、身体の不調を抱えている常連客用に置いている薬用酒ぐらいのものだ。
だが当然、このガラの悪い連中は納得するはずがない。
「んだとぉ!?オイ嬢ちゃん、客の注文が聞けねえってのかぁ!?」
「申し訳ありません。無いものは無いんです。ここは喫茶店で、お酒を出す場ではありませんので。もしお酒をご所望でしたら、大通りに酒場がございますのでそちらへいらして下さい。お酒もおつまみも美味しくて良い店ばかりですので」
再び頭を下げるリリーに、傭兵たちがなおも食って掛かろうとするが、髭面の傭兵がそれを押さえた。どうやら彼がこの集団のリーダー格らしい。
「なるほど、嬢ちゃんの言いたいことは分かった。ここに酒がないことも分かった」
アルから髭面の男の顔は見えないが、その口調を耳にしただけで、彼らが承諾も妥協もするつもりは無いことは理解出来た。リリーの顔も依然強張ったままだ。
「じゃあよぅ、俺たちが今から酒を買ってくるから、ここ貸切にして飲ませてくれや。もちろん貸切の代金も酒とつまみの代金も払うからよ。それならいいだろ?」
「それは困ります。この後いらっしゃるお客様も居るんです。その方たちを無碍には出来ません」
「ああ?じゃあ俺たちゃ無碍にしてもいいってのか?それに俺たちはよぅ、是非とも嬢ちゃんの酌で飲みてえんだよ。嬢ちゃんがこれから別の店に付き合ってくれるってんならいいけどよ?」
傭兵たちは全員カウンター席から立ち上がり、揃ってリリーを睥睨している。傭兵たちはいずれも背が高く、アルからリリーの表情は窺い知れない。
もう充分だろう、とアルが剣を抜こうとしたが、それよりも早くリリーが毅然と言い放った。
「皆様のご要望にはお応えしかねます。このお店はビフレストの街に住む方の憩いの場。多少のお金と要望のために、いつもこの店を訪れて下さっている方を蔑ろには出来ません。貸切も付き添いもお断りいたします。ご用が無ければ、お帰りいただけますでしょうか」
深々と頭を下げながら、きっぱりと拒絶の意を示して見せた。言葉の端々に強い感情が宿り、傭兵たちに決して譲らないという意志を否が応にも感じさせた。
だが傭兵たちはむしろ余計に悪感情を剥き出しにし、掴みかかろうと腕を動かした、その瞬間。
「―――そこまで」
虚を突かれた傭兵5名が慌てて振り返るが、もう遅い。リーダー格の髭面の傭兵の首に、後ろからピタリと冷たい刃が当てられていた。
入店時からずっと居たはずのアルに気付けなかったのは、彼らの視線がリリーに集中し過ぎていたこともあるが、アル自身が彼らに気付かれないよう、彼らの視界の外を縫いながら気配を殺して移動していたからだ。
髭面の傭兵は舌打ちしながら悟る。今自分の背後に居る男は、個の力量ならば自分たちの誰よりも上であると。
「ビフレスト市駐在騎士団、アルフレッド・ヴィーザルだ。貴様らは傭兵か?お前たちの狼藉を許可しているのは、何処の誰だ?」
アルが刃を突きつけながら詰問する。
「狼藉だぁ?俺たちはただ嬢ちゃんに酒を注文してただけだぜ?」
「一通り見させてもらったが、貴様らのそれは注文ではなく脅迫というべきだったな?無理やり店を貸し切ろうとし、あまつさえ店長に酌を強要するとは、狼藉以外の何物でもない。ちょっと兵舎で詳しい話を聞かせてもらいたいのだが、構わんな?」
訥々と追い詰める。こいつらがロヴの調査とアルの予測通り、人身売買集団に雇われているのなら、身柄を押えておければ、行商団の調査がより捗ることは間違いない。なかなか尻尾を見せないという行商団の悪事を捉える大きな一手だ。
しかし、それは傭兵たちにとっても自明だった。彼らの油断と盲目が悪手を招いたことで、焦りが生まれてしまった。
「クソ、この女―――――」
傭兵の一人がリリーに手を伸ばす。人質か、単なる逆上か、焦りが生んだ軽率な行動だった。
アルにとって不幸だったのは、その男が髭面の傭兵から一番遠い位置に居たことと、クロスボウを持ち合わせていなかったことだった。手首に装着するタイプの小型クロスボウは、駐在騎士団の正式な武装の一つだが、もし持っていれば傭兵の腕がリリーに届く前に射抜くことが出来ただろう。
それでも、アルが剣を首から引き戻し、さらにもう一歩踏み込んで剣先を伸ばした。男の腕がリリーの胸倉を掴む、その間一髪でその腕を弾くことに成功し―――
弾かれた腕がリリーの右頬を掠めた。
これまでずっと彼女の前髪に隠されたまま、開かれることのなかった、顔の右側を。
「あ――――――――」
アルが見たのは、生々しい傷痕だった。
額の右端から眉を抉り、瞼を裂き、右頬に奔る、3本の稲妻。
まるで民族化粧のように、顔の右側を貫くように刻まれた、獣の爪痕。
アルは目を奪われる。女性の価値を損なうものでしかない、顔の瑕に。
それは、痛ましいからでもなく、おぞましいからでもなかった。まるでその瑕が、そこに刻まれているのが自然であるかのように、リリーの美貌の中心にあったから。
その瑕が、リリーの魅力の源泉、原点であるように感じたからだ。
何故だろう、と考える暇は無かった。
右から迫る気配を察したアルは、再び剣を髭面の男の首元へ。そして髭面の男は、大振りのサバイバルナイフをアルの首に突きつけた。
そして、アルの真後ろからも気配。左に居た傭兵が、アルの後頭部にクロスボウを構えている。無論、矢は番えた状態だ。さらに髭面の男の脇から矛が伸び、アルの鳩尾に突きつけられた。残る3人も武器に手を添え、アルとリリー双方の様子を伺っている。
「形勢逆転だな」
「そう思うか?」
「強がるな。抵抗すればただでは済まんぞ?」
髭面の男は冷笑しながら、空いた手でカウンターの奥に手を伸ばす。その手にはリリーが持ってきたカチグルミがあった。
「ふんっ!」
髭面の男はカチグルミを手に包むと、裂帛の気合の声と共に握り締めた。数秒の後手が開き、砕けた殻と綺麗なままの中身がカウンターに散らばった。アルはそれを冷たい目で見る。
「…今更力自慢か?さもしい奴だ」
「単に今のお前らの状況を、分かりやすく説明してやったまでさ。中身を守る殻は砕けて、あとは美味しく召し上がるだけ、ってな。傷物なのは残念だが、充分愉しめるだろうよ!」
「ヒャハハハ、さぞかし美味いだろうなァ!」
「俺たちの分も残しておいて下さいよ、兄貴ィ!」
ジャッカルの頭部を持つ獣人が茶々を入れ、下卑た笑い声が広がる。髭面の男はアルに見せ付けるように、カチグルミを頬張った。
沸騰しかけた心と身体を、理性で抑え付ける。不安そうなリリーと目が合ったので、大丈夫だと微笑みを返しておいた。
そう、大丈夫。多分もうすぐだ。そう思ったのと同時に、店のドアが開いた。
「お待たせー…ようアル、待たせちまったかな?」
今度は傭兵たちの顔が強張る番だった。
「遅いぞロヴ。首尾は?」
「上々。時間が無かったから、20人ちょいしか呼べなかったがな」
当然、金物屋に買い物に行っていただけのロヴが、兵舎の仲間たちを呼んでいるはずがない。だが彼も一角の騎士だ。どういう連中でどういう状況にあるかは一目で理解出来た。
嘘も方便。数には数を。
砕けたのは、傭兵たちの虚勢の方だった。
「クソがぁ!」
ロヴに一番近い位置に居た傭兵が、ロヴを掴み倒しにかかった。
「うおっ!…っ、ぃよっこらせ、っとォ!」
ロヴはそれを真正面から受け止めつつ、胸倉を掴んで表の通りに投げ飛ばした。通行人が驚いて足を止める。四つん這いで起き上がった男の背中に向けて、ロヴがドロップキックを見舞い、もう一度地べたに這い蹲らせた。
「散れ!逃げるぞお前等!」
ロヴが塞いでいた入口が空くと同時に、髭面の男の号令を出す。残る傭兵たちは脱兎の如く散り散りに逃げ出したが、またしても軽挙に走る者が居た。
「畜生、テメエのせいでっ!!」
逆恨みの台詞を吐き散らしながら、クロスボウの傭兵がその矢をリリーに向けて構える。が、アルが剣を振るう方が圧倒的に速かった。
「げふっ…」
店を血で汚すわけにはいかないので、後頭部への峰打ちだ。白目を剝いて卒倒した傭兵を、アルが恨みを込めてぐりぐりと踏み躙りながら縛り上げる。
「リリーさん大丈夫でしたか?お怪我は?」
「いえ全然、怪我ひとつありません!それより他の―――」
「いや、構いませんよ。顔は覚えましたから」
縛り上げた傭兵を無理やり立たせていると、ロヴも気絶した傭兵を担いで入ってきた。
「リリーさん大丈夫っスか?」
「おかげさまで無傷だ。お手柄だったぜロヴ」
今回の一件は間違いなくロヴの手柄だ。リリーが無傷で済んだのも、ロヴが抜群のタイミングで戻ってきてくれたことが大きい。その後の瞬時の状況把握と傭兵たちを追い詰める法螺吹きも見事だった。
「そりゃどうも。で、こいつ等ひょっとして例の?」
「その可能性が高い。とりあえず二人、近くの派出所に連れてくぞ。残りの連中の面は覚えたか?」
「そりゃもうバッチリ。似顔絵描いてもらわねえとな」
残る4人には逃げられてしまったが、顔は覚えている。ポジティブな見方をすれば、今後の情報収集のために泳がせたと言ってもいい。この2人は下っ端だろうが、何らかの情報は持っているだろう。
「この2人を土産に、団長に捜査に加えさせてもらうか。ロヴ、お前も来るだろ?」
「げ、やっぱりそうなるか。ハイハイ分かりましたよ。たまには汗水たらして働くとするかね」
「何格好つけてんだ。実のところ、娼館で聞いた噂が気になって、本気で調べてたんだろ?噂話にしちゃあ内容が具体的だったからな」
「…るっせーよ。派出所行って応援呼んでくるからな!見張っとけよその2人!」
照れ隠しに叫びながら、ロヴは近くの派出所へ向かう。気絶した傭兵を運ぶのと、兵舎に連絡を回すためだ。傭兵2人を外に転がし、玄関の柱に括り付けて動きを完全に封じてから、店内に戻った。
「リリーさん。お騒がせした上に怖がらせてしまってすみませんでした」
「そんな、謝らないで下さい!アルさんが謝ることなんてありません!勝手に向こうから押しかけてきて、アルさんは守って下さったんですから…!」
お互いに気遣い謝り合いながら、ふと顔が合い、アルの視線は自然とリリーの顔の右側に注がれた。いつの間にか元通りに銀色の髪の毛で覆われているが、先ほど見た稲妻のような傷痕は、アルの脳裏に鮮烈に刻まれている。
「…醜いものをお見せしてしまって、ごめんなさい」
アルの視線を感じ、リリーの手が自身の顔の右側を押えた。
そしてそのまま沈黙が流れる。リリーが言葉に詰まっているのがアルには分かった。
「言いたくなければ、何も言わなくていいですよ」
アルは努めて優しく、そう言った。
「もちろん俺も、誰にも言いふらしたりしません。リリーさんが口にしない限り、自分も決して口に出すことはしないと誓います。今日見たことは、俺たち2人だけの秘密です」
「…あの傭兵さんたちにも、見られちゃってますけれど…」
「アイツ等は近いうちに全員捕まえて牢屋に送りますので、ノーカンです。第一、もう出入り禁止でしょ?」
「それはもちろんです。次に来たら…真っ先にアルさんを呼びます」
「お任せあれ。じゃあ二度と来れないように余罪冤罪たっぷり付けて、監獄か樹海に送っておきます」
「冤罪は付けちゃ駄目ですよ!?」
思えば、リリーと軽口を言い合うのはこれが初めてだった。2人の間の重苦しい空気はすっかり緩み、いつもの「いぬごや」らしい穏やかな雰囲気が戻ってきた。
しばらく軽い会話を楽しんでいると、ドタバタと表から騒がしい音が聞こえてくる。ロヴが応援を連れて戻ってきたのだろう。
「じゃあ傭兵共連行しなきゃなりませんので、これにて失礼します。改めて、お騒がせしてすみませんでした。…怪我がなくて、本当によかったです」
「いえ、こちらこそ申し訳ありません。結局トーストもドリンクも出せませんでしたし…次来て下さったときはサービスしますので!」
「はは、それは楽しみだ。じゃあまた、近いうちに」
そう言って背を向けたところで、デートの話が未完結だったことを思い出した。
だが、後の祭りだ。ロヴも戻ってきたし、やらなきゃならない仕事が目の前にあるし、それを蒸し返すような雰囲気ではなくなってしまった。また機会があるさ、とポジティブに考えたいところだが、しばらくは悪徳行商団を調査する仕事に追われそうなので、時間が作れるかは怪しい。
まぁ、軽い会話を交わせる仲になっただけでも進展だろう。そう考えて傭兵2名の連行を開始する。
去り際に、もう一度「いぬごや」を振り返った。
彼女の傷のこと。彼女自身のこと。今更ながら、知らないことだらけだった。
「…なあロヴ。好きな人の事で、自分が知らないことを知るためには、どうすればいいのかな」
「いぬごや」が見えなくなる位置まで来たところで、ロヴに尋ねた。いまさら隠し立てしたところで無駄なので、真っ正直に疑問をぶつけることにしたのだ。そのストレートさにロヴは一瞬怯んだようだが、概ね真面目に答えてくれた。
「その1、詮索するな。男が下がる。その2、成り行きに任せろ。良きにつけ悪きにつけ、いつかは事が大きく動く。そして一番大事な、その3」
一つ一つ指を折りながら、自分の経験をもとに話すロヴが、足を止め、アルの鼻先に人差し指を突きつける。
「大抵の場合、それは欠点ないし汚点だ。それを受け入れられないなら、別れた方が幸せだ。だがそれを受け入れる覚悟があるなら―――心と言葉と態度で示せ」
ロヴはそれで充分だとばかりに人差し指を引き、元通り歩き始める。アルは肩を竦め、溜息を吐いた。
「難しいなぁ、男女の駆け引きってのは」
「それが面白いんだよ、スリリングで」
せいぜい頑張れ恋愛初心者、とロヴが皮肉った。
「ふう、騒々しい1日だった…」
店内ではリリーが後片付けをしていた。幸い店内の調度品にも植物にも危害は及ばず、自分の傷痕が露わになっただけで済んだ。もう一度髪をセットし直し、気持ちを落ち着けるために特製薬草ブレンドハーブティーを淹れて飲んでいる。
飲んでいる間に少し口寂しくなり、カウンターに置いたままのカチグルミの入った籠を手元に引き寄せ、数個掴んだ。
「…今日はアルさんたちが居てくれて助かったな」
そう呟きながら、数個のカチグルミを握った手に力を込めた。
パキッ、パキパキッ。
枯葉が砕けるような音とともに、リリーの白磁のような手から、カチグルミの殻と中身が零れ落ちた。
カウンターに散らばったカチグルミは、殻も中身も砂のように細かく砕けている。
「…鈍ってるな、やっぱり」
顰めっ面で粉々になったクルミを眺め、不満そうに呟く。
殻だけ砕くつもりだったのが、うっかり中身まで潰してしまった自分に対するものだ。
―――果たして、今日アルたちが来店せず、彼女ひとりで傭兵たちと相対していたら。
リリーがもうひとつクルミを掴み、指で摘まんで握る。殻だけ砕け、中身だけがカウンターに転がった。
リリーはそれを満足そうに眺めながら、口に入れた。
書き溜め分は以上で終了です。次話からは週に一度の更新に戻ります。
魔獣
牛馬等の普通の生物とは異なる生態や固有の魔力を持ち、人に害を及ぼす生物。魔獣の危険度はF~A、Sの7段階で分けられており、駐在騎士団で処理できるのはDランク程度まで。Sランク魔獣は10種類程度しか認定されていないが、一度人間の生息域に現れた場合、国家非常事態宣言が出され、人種問わず討伐のために各国から戦力が集結する。そうしなければ斃せず、そうしなければ滅びる。一個の生命体として、圧倒的に格が違うのだ。
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