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放浪屍鬼の世界 デーモンオーガディストピア  作者: 七夜月 文
2章 --天翔艦クラールブルーメ--
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駆ける星 3

 数時間後、天翔艦は星の周囲を離れ月へと進路を取る。

 クラールブルーメが月へと向かっていると警報が鳴り、モニターを見ると正面に3つエネルギーの反応が出てジュンセイとユウセイが確認を急ぐ。


「進行方向1時の方向に熱源」

「船内に警報を、敵影を中央モニターに出してください」


 反応のあった方角にあるカメラを正面のモニターに移しズームしてその反応の元を映し出す。

 宇宙に浮かぶ3つの巨大な長細い物体。


「正面に艦影3……この大きさ、この艦影……これ、終戦後に見つかった建造途中だった月の弩級戦艦だ!」

「戦闘準備、最大船速加速を続けてください、各部近距離防護装置に電力を! 自分が知らない船です、誰か情報を!」


 レーダーの情報と船外カメラの映像のモニターを切り替えながら周囲を警戒するユウセイが答える。


「艦正面に待ち構える海月型弩級戦艦、艦名確認、新月、撈月、ニュージェネレーション。戦後、月の建造ドックにあったあれどうしたのかと思ったけど、完成させたんだ……」


 月の船と聞き艦内に緊張が張り詰めた。

 こめかみに指を置きユウセイが答える。


「んっと、船体は522m、300mm艦首固定砲を6門、150mm限定旋回砲塔4基3門、120mm砲二基8門。アステロイド誘導ミサイルも搭載予定だったかな」

「なら少なくとも艦首砲は天翔戦艦クラスでも当たったら致命傷になりかねない。この船なら装甲で受け止めきれずに、艦首から艦尾まで串刺しになってもおかしくないね」


 他の船と同様に放棄され星の周りを漂っているとは考えずらく、それらは先端をクラールブルーメに向けていることもあってジークルーンはモニターから目を放せず拳を握って動き出さないことを祈った。

 しかし祈りは届かず、進路上にいるそれらを注視しているとその三つが光る。


「発砲を確認! 敵砲弾本艦まで40秒、あの船生きてる! 砲弾予測進路を三番モニターと四番モニターに映す」

「接近する砲弾のサイズ、撃ってきたのは艦首砲だ! それと通常砲弾多数」


 即座に景色を映していた画面がレーダーに切り替わり、高速で飛来する物体を捕らえた。


「回避、俯角40度、左舷に5度、よけたらすぐに進路を月へとむけてください。ユウセイあの船の弱点などはありますか?」

「火力を正面に向けていて側面などは意外と武装が使いずらくて装甲も薄い、よく囮を用いて多角的な攻撃で倒したよ」


 命令を受けて回避のため船体を傾ける。

 方向転換により慣性の法則にしたがって天翔艦内に強い力が生まれた。


「急な方向転換で現在最大で1、3Gを艦内で観測中」

「あんまり大きなGは船や私らは耐えられるけど、ナノマシンで身体能力を強化しても訓練も何も受けていないあの子らが耐えられない」


「敵攻撃被弾まで10秒」

「総員衝撃に備えて」


 月の船からばらまかれた砲弾のいくつかが天翔艦に着弾する。

 被弾に伴い艦内が激しく揺れ船体が大きく軋む音が響く。


「ユウセイ、レイショウさんとハジメさんは」

「無事だよ、一応は私がここへ案内している。ジークルーンは指示を」


「わかっています、被害状況の確認を」

「被弾8,艦首砲の直撃はなくて助かった。装甲で防ぎきれたようで船内に致命的なダメージはなし。計器にも異常な数値は出ていない。修復可能」


「ならば、進路を戻し直進です。ユウセイこちらの攻撃は、反撃は有効でしょうか?」


 目の前の月の船相手にこの天翔艦の装備が通じるかユウセイに尋ねるが彼女は首を横に振った。

 そこにレイショウとハジメを連れたユウセイがやってきて二人を座席に付かせる。

 激しい船体の揺れに不安の色を隠せないレイショウは何か言おうとしたが、指示に夢中なジークルーンを見て口を閉じ席に着いた。


「改装で火力も上げてあるが戦争後期の戦艦クラスなら相手をできる威力程度、……さすがにあのド級戦艦は無理だね、こっちのナノマシンで砲弾を強化しても艦首砲でも貫くのは困難」

「そうですか……せめて脅威である艦首砲だけでも破壊を」


「精度的に当てることはできるけど艦首砲は不使用時は装甲版で砲口を塞ぐから、砲口にこちらの砲弾を砲身内にぶち込むことはできない。こちらが反撃しても反動で航行速度が落ちるだけだろうね」

「……残念です」


 再び月の船からの砲撃。

 すぐにモニターに再び砲弾の弾道予測進路が映される。


「撃ってきますね、月の船」

「向こうは3隻でこっちは1隻だからね、ヘイトを分散させほかにターゲティングさせられるものもいない集中砲火だ。しかも向こうは戦艦、でかい船体に多くの砲台、手数が多い。わかってはいたがかなり不利だ」


 情報処理をしながらジュンセイがジークルーンの質問に答えた。

 ジークルーンはじっとしておれず席から立とうとするが、砲弾の直撃個所を修復する作業をしていたユウセイが報告する。


「被弾個所の修理完了、向こうの砲弾は金属量が少ないのは相変わらずか。被弾で装甲板が散らされると厳しいな」

「どういうことです?」


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