天からの攻撃 2
「過去の歴史を振り返っても今の現状を見ても、自由にしていれば彼らはすぐに争いを始めるじゃないか」
二人のユウセイとジークルーンたち、6人の真ん中にあったテーブルは消え彼女は立ち上がる。
「とりあえずこの攻撃が収まったらとりあえずジークルーンの天翔艦のある基地の近くへ行こうか。ここにいないに残りの私たちが安全な部分までトンネルを伸ばした、そこから外に出ることができるよ」
「このままトンネルを作っていって安全に移動できないんですか?」
「できなくはないけど、そのつど発電施設を移し替えないといけないから地上を車両で走った方が早いと思うけどね」
「燃料はどうやって自分の天翔艦へ?」
「トンネル掘ってそこを列車で運ぶに決まっているだろう。ポリタンクを持って歩いて往復する気だったのか? トンネルの作成には時間がかかる、さすがに長距離はナノマシン引き延ばしても限界があるからね。掘削機はナノマシンでもトンネルの壁はその辺で調達したものを使うよ」
タブレットを持ったユウセイを部屋に残し一同は部屋を出る。
そのままユウセイの案内についていき長い廊下を歩いていく。
「とりあえず、ここへの落下がやんだ。地上は見る影もないが安全な場所に出られる小道を作った。そこから出て、なるべく早くここから出よう。単体じゃナノマシンの防壁で守られたシェルターを打ち破れないから、次にまとめて落とすための数を集めているのかもしれないし、ここでうかうかもしてられないからね」
「やはり耐えられないのですか?」
「耐えられるのなら天翔艦は月の戦艦クラス相手に無双できただろうね。ナノマシンはあくまで材質性質を変えるだけであってどんな攻撃を防げるわけじゃない。あんたもアルケミストならわかるだろう」
また突然何かやらかさないようにユウセイを先に歩かせ、その隣でしっかり彼女を見張りながら歩くジュンセイがジークルーンに尋ねる。
「ジークルーンのいた基地となると、この子らの村があった場所があの基地からも近くていいんじゃない? 多分基地を覆うあの木も空から見ればいい的だし今頃吹き飛ばされてるかも」
「……そうですね。ここのように地下深くでもナノマシンで守られているわけでもないですから、地上は何も残っていないかも。隠れるためにレイショウさんたちの村に戻ります。ここまで来て村に戻るというのも何とも言えない感じですが」
「ジュンセイ、あんたの天翔艦はチュウジョウから返却してもらうことはできるのか? 私の遊星はこの基地のとなっていて動かすことはできないが、空に上がる天翔艦が一隻と二隻じゃ違うだろう」
「それはそうだけど、どうだろうね? いらないって言って渡したし、そう簡単には返してくれないと思うけど。何より町の一部として形は残っていない。チュウジョウや他のアルケミストは無事だと思う?」
「よほどの平和ボケした間抜けじゃなければアルケミストは皆こうやって地下に避難していて無事だろうよ、城塞都市もエデンガーデンも他の国のも。ただ、地上にいた人々がどうなったかまではわからないな。熱や衝撃波で吹き飛んだかもしれないし、飛んだ破片や瓦礫で潰れたかもしれないし、少なくとも全員が無事ってことはないと思うな」
「そっか」
「何かあるのか?」
「別に、深い意味はないよ聞いてみただけ。何か話していないとあんたが不気味で仕方ない」
「ははは、そうか? 私も他のアルケミストと同じだと思っているんだけど、そんなに私は変か? 他のアルケミストたちはここまで壊れてはいないのか」
「あんた特別何を考えているかわからないからね」
背後に自分たちの後をついてくる別のユウセイがいないか、あるいは床が突然変形しないかを気にしながらジークルーンはレイショウたちと一緒にジュンセイたちの後を追いついていく。
先を歩くユウセイにジークルーンは語り掛ける。
「ユウセイ。自分が空に上がっている間、レイショウさんとハジメさんを預けたいのですが一時でも二人を保護できる場所を提供できませんか」
「二人程度なら別にかまわないが、まぁここじゃない方がいいな、もうじきなくなるかもしれないから。頼みなら準備を進めても良いが、移動した先もプラントや浄水場はあるものの小さく食料と水に制限があるから長くは住めないぞ。でも酸素に限りはないから暮らす分には宇宙より快適だとは思うな、何人かの私が彼らの面倒を見ればいいのだろ」
歩みを止めず話しユウセイはへらへらと笑いながら返事を待ち、ジークルーンは少し考えて訂正した。
「いや、やめておきます。レイショウさんをさっきのように挑発したり、戻ってきたときハジメさんを鬼にされていても困りますから」
「意外と彼とは和解して式を済ませて夫婦になっているかも、もうキスは済ませたからね。後は指輪の交換だ」
「流石にそれはないと思います」
「きっぱり言い切るね。横の彼もそんな目で睨まないでくれよ、嬉しくなる。ところで困るってなんだ? 別に彼はあんたの物でもない関わりの薄い人間だろう、死んでいたら少し悲しむだけでその後は忘れてしまうだろう。我々と同じように長く生きていくのならこんな事しょっちゅうだ、そうだろジュンセイ」
「たとえこれから長く生きていくことになっても、今のことは今ですやめてください。自分たちは争うことを禁じられていますが、関わりを絶つことはできます、できればそうはなりたくありませんユウセイ」
「はいはい、眠っていただけあってあんたは本当に昔のままだね」
返事を聞いてつまらないと言うと軽く手を振る。




