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放浪屍鬼の世界 デーモンオーガディストピア  作者: 七夜月 文
2章 --天翔艦クラールブルーメ--
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世界を知る為の道 1

 空の果てには星を囲む白い輪が見え、見渡せばどこまでも続く風化し破損していく廃墟の町、そんな滅んだ文明の跡を歩き続ける4名。

 人の代わりに廃墟の町を歩き回るのは額に角の生え口からは釘のような歯、手足に鎌のような爪が生えた元人間、鬼。


 安らかに眠ることを許されない鬼たちは、生きた人間を見つけると口を大きく開け両腕を広げて走ってくる。

 4人は何度となく鬼と出くわし戦い倒し、その鬼が身につけたり背負っていた物資をあさる。

 前に出て鬼と戦っていた銀髪で金目の女性二人が、薄汚れたリュックを拾い上げその中身を探った。


「あったよ、缶詰。損傷もないし食べられる。この鬼たちも城塞都市の帰りで襲われたか」

「そのようですね。帰ることができなかったの可哀そうですが、食料は感謝して食べましょう。賞味期限は?」


 鞄の中には中には持ち主の死によって購入してから手つかずの荷物が入っていた。

 持ち主だった者に手を合わせていた白髪の女性は、缶のラベルを読んでいた同じ髪色と目をした女性を連れてその場を離れる。


「大丈夫、まだ全然期限に余裕がある。今夜も食事にありつけたね」

「ですね。戻りましょうか」


「ねぇジークルーン」

「何ですか?」


「ナノマシンの使い方上手くなったよね」

「そうでしょうか? だとしたら、あなたのおかげですよジュンセイ」


 手にした軍刀を銀色の液体に変化させ自身が来ている衣服の一部と同化させた。

 ジュンセイと呼ばれた女性が鬼の持っていた鞄を背負ってジークルーンの後についてその場を離れた。


「前より武器への変化のさせ方が早くなった」

「自分だって学習しますよ、それにだんだんと鬼との戦いにも慣れてきました。月へ向かうための天翔艦の水先案内人としての役目しか持たない自分が近接戦とは……。戦い方は自衛としての基本的な型としてしか動きを与えられていないというのに」


「それは100年前の私らもだよ。そこに大きく深い水たまりがある、後で水浴びでもしようか」

「そうですね、ここ数日隠れて戦ってを繰り返し体も汚れてきましたしね。ハジメさんもつれて入りにきますか」


「タオルは作れるけど石鹸がないか、倒してきた鬼の荷物にもなかったし。あの男はどうするか。縛っておくと鬼が出たとき何もできないまま襲われていそうだしな」

「レイショウさんはなぜか自分に好意を持っているようなので、自分が時間をずらせば済みそうな気もしますね」


「そういえば、彼はジークルーンにだけ好意を持ってるよね何かしたの?」

「自分は特に、自分が目覚めたときには既にレイショウさんは自分に好意を持っていて理由を聞くと、一目惚れだと。そういわれても自分はその言葉の意味として知っていても、経験としてはないもので困ってます」


 少し離れたところで彼女たちと同じように鬼と戦う男性、彼そばには首を切られた鬼の姿。

 ジークルーンは倒した鬼の荷物を漁る男性のもとへと近寄っていく。


「レイショウさん、ハジメさん、そっちはどうでしたか?」


 名前を呼ばれ小さな少女を連れたレイショウと呼ばれた茶髪の男性は、振り返ってジークルーンへとむけて肩をすくませて答える。


「だめだ。鞄を背負った鬼はいたが、何かに引っ掛けたのか穴が開いてて中身が空っぽなやつだった」

「そうでしたか。こちらは見つけました、これで今日の分の食料は何とかなりそうです。日が落ち切らないうちに夕食にしましょう」


「そうだな、戦いの邪魔になるから置いてきた荷物を持って今そっちに行くよ」

「戦闘は自分たちがしてレイショウさんはハジメさんを守るって役割分担したじゃないですか」


 廃墟はただ風化しただけでなく何かの攻撃を受けたような、大きなクレーターがいたる所にできていてそこには雨水が溜まっている。

 地面に空いた穴に溜まった水たまりから水を汲み、集めた廃材などで火をつけお湯を沸かす。

 汲んできた水の沸騰を待つ間、ジークルーンが口を開く。


「そういえばジュンセイ、工場まであとどれくらいでしょうか?」


 尋ねられたジュンセイは指を刺す。


「もう見えて来たよ、あれのふもと。今日はもう休むにして、明日にはつくんじゃないかな」


 その方角には夕焼けに浮かぶかつては国の象徴だった大きなアンテナ塔が見えた。


「電波塔……」


 小さくジークルーンが言葉を漏らす。


「気が付いた、そう電波塔。工場は鬼の指示に干渉してる。ガーデンと違ってうろついている鬼が多いのもあれのせい」

「しかし、自分の記憶ではあの電波塔の場所はもともとあそこじゃなかったですよね?」


「そうだよ、あの電波塔は天翔艦を変えたものつまりナノマシンさ。昔のままならあの下は大きな工場の敷地が広がっている」

「工場。そこにいるアルケミストは誰なんです?」


「明星シリーズの三番艦の遊星、アケボシ・ユウセイ」

「弩級天翔艦じゃないですか!」


「流石にジークルーンも知ってるか」

「彼女らとも直接あったことはないですけど、自分の国とこの国の天翔艦とアルケミストは知っています。もっとも自分がいたころは、まだ設計が始まっていた状態でしたけど」


 湯が沸騰したところでずっと話を聞いていたレイショウがジークルーンに尋ねた。

 話についていけない少女ハジメは、一人拾った石で地面に絵を描いて遊んでいる。


「なぁ、ジークルーン」

「何ですか?」


「弩級天翔艦とか、明星シリーズってなんだ?」

「ああ、自分たち天翔巡洋艦、天翔戦艦より大きく高性能な武装を持った艦です。明星シリーズはその船を操る自分と同じアルケミストなんです。生まれたのは自分より後になりますか」


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