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勇者って最強職じゃなかったっけ!?  作者: マサヨシ
第1章
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第5話〜真紅の髪の少女〜

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  「はぁ…。これからどうしよう。」


 少女はため息をつく。この時の彼女の心境は真っ青なブルー。天気に例えると凄まじい曇天。


 気を紛らわそうと上空を見上げる。

 そんな彼女の心境とは真反対の綺麗な晴天が広がっていて、空には何か鳥のような黒い物体が見える。


 なんだろうアレ。鳥にしてはやけにバタバタしてるし、ずっと同じ場所にいる。

 いや、むしろ急降下してるような…。


 彼女の瞳がその物体を捉える。

 ソレは、必死に空中でもがいて動きを殺そうとあがいている人間だった。


 「助けた方がいい…のよねアレ。」


 あの慌てようでは、スカイダイビングをしてるとは到底思えない。

 何より"自分の目の前で人が死ぬ"のはもう見たくない。


 私は詠唱を始める。


 「この手は、世界の理を変える。転換せよ!」


 対象は今にも失神しそうな謎の制服の少年。

 狙いを定めて解き放つ。


 「反重力アンチグラビテーション!」


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 もうダメだ。地上がもう目前に迫っている。

 あれからジタバタして勢いを殺そうとしたり、初期装備である制服のブレザーを広げてパラシュートにしようと試みたりしたが全て失敗に終わった。


 こんな簡単にGAME OVERだなんて人生というか異世界生活厳しすぎないか?

 

 グレンは必死でもがく俺を見てケタケタと笑うばかりで助ける気配など微塵も感じない。


 人間は反射的に恐怖を感じると目をつぶってしまうものだ。今回も例外ではない。


 「っ!(ダメだ、ぶつかる!)」


 俺は目をつぶり


 地上に…


 「……ん?」


 ぶつかることはなかった。

 それに身体には奇妙な感覚が宿っていた。まるで重力を感じないし、それどころか浮いているような錯覚にも陥ってしまう。


 「助かった…のか?」


 目を開くと、そこには鼻先すれすれのところに地面があった。

 俺は横で同じく浮遊しているグレンを見ると面白くなさそうな顔で頬を膨らましている。

 どうやらグレンの仕業ではなさそうだ。

 ということはつまり…


 「これはあれだ! 主人公がピンチになって覚醒するパターンのやつだ! これにより俺は新たな魔法を覚えたってとこだな。どうだグレン! 流石は勇者ってとこだな!」


 直後、全身を覆っていた浮遊感が消えた。

 と同時に重力に逆らっていたのだから当然、落下が始まり俺は顔面から地面に落ちる。


 「こんな奴なら見捨てた方がよかったのかしら。」


 バッと顔を見上げるとそこには一人の少女が佇んでいた。

 年齢は16歳くらいに見える。服装は黒のローブにオレンジのラインが入ったものと魔法使いくさいテンプレの帽子。背中にはギターケースのようなものを背負っている。

 真紅のショートカットがよく似合っている美少女だ。


 「私はリサ・ブライト。皆にはリサと呼ばれてるわ。あなたの命の恩人の名前よ。よーく覚えておきなさい。決してあなた自身の手で助かったわけじゃないんだから!」


 聞かれてもないのに名前を名乗るあたり恩着せがましいなこの娘。

 どうやら俺が自分の手柄だと思い込んでるところが気に食わないらしい。

 まぁ、確かにお礼は言った方がいいよな。


 「助けてくれてありがとう。俺は鈴木優太。あと、君さっきからパンツ丸見えだぜ☆」


 直後にリサは赤面し、俺の顔面へ思いっきり踵落としを食らわせてくれた。

 あとで聞いた話だが、俺はそのまま2分ほど気絶していたそうだ。

こんにちはマサヨシです!

いや〜優太が序盤で死なずに済んで本当に良かったです(笑)

さて、今回は新キャラクターのリサちゃんのおかげで優太は無事に生還することが出来ましたね。

次回もご期待下さい。

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