第4話〜スカイダイビングはお好きですか?〜
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という感じで俺は異世界に勇者として転生したわけだが……。
「おい、聞いてねぇぞ。グレン。」
俺は、自分の回りをケラケラ笑いながら飛び回るガイドピクシーとなったグレンへと問いかける。
「んー? だって聞かれてなかったし。というか、肝心なとこで運が悪いねぇ〜。流石は幸運度Cだねっ☆」
この野郎。娯楽の神様だからって限度があるぞ。
こんにちは、鈴木優太18歳高校生男子です。皆さんはスカイダイビングはお好きですか?
俺は昔、一度だけ旅行先でやりました。それはもう、めっちゃ楽しかったですよ。空を飛んでいるような錯覚やあのスリルはなかなか味わえないからね。
でもね、それはあくまでも安全性があるから楽しめるんだよ。
パラシュートもなしに雲の上からダイビングしたら失神間違いなしだよね。
だって絶対死ぬもん。どうあがいても地上ついた瞬間に肉塊へと変貌すること間違いないもん。
俺は、今その雲の上にいます。
"パラシュートなし"の状態で。
「なんで、転生先がいきなり雲の上なんだああああああああああああああああ!! 馬鹿なの!? 死ぬの!?」
「いや〜。だって、転生先は完全ランダムだから。運悪く上空で転生しちゃったんだよ。まぁ、マグマの上とかじゃなくてよかったじゃん! まだ何とかなるんじゃない?たぶん。」
「今たぶんって言ったよね!? もう嫌だぁ…。普通に中世のヨーロッパみたいな始まりの街に転生したかったよ! 嫌だよ俺!? 死因:パラシュートなしのスカイダイビング。アホ丸出しじゃねぇか!」
「大丈夫、存在ごと消えるから。恥ずかしい死因は後世に残らないよ♡」
「そういう問題じゃねぇええええええええ!!」
ヤバイ。とにかくこのままじゃ確実に死ぬ。
こんな間抜けな死にかただけは嫌だ。
とにかく死なない策を考えないと…。
「っ! そうだよ、魔法だよ! おい、俺が使える魔法はなんだ!?」
「んー、初級勇者に使える魔法はね。回復魔法のヒール、電撃魔法のバチルかな。とりあえず今の状況には何の役にも立たないね。」
「ちくしょおおおおおおおおおおおおお!」
マジで死ぬ! もう地上見え始めたし! すげぇ速度で落ちてるし!
地上まで秒読みってとこまで俺は来ていた。
この時、俺は心底こう思ってた。
「勇者って意外と使えねえええええええええ!」
地上まで:あと2500m
所要時間:45秒
こんにちはマサヨシです。
一応、この話から読んでも問題ないようにはしました。
前置きや状況が知りたい方は序章をお読み下さい。
いよいよ異世界に転生した優太ですが、いきなり死亡ルートへ突入しました(笑)
次回もお楽しみに!見てる人いるか分からないけど(笑)