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勇者って最強職じゃなかったっけ!?  作者: マサヨシ
序章〜終わりと始まり〜
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プロローグ〜唐突な最期〜

 俺は、鈴木優太すずきゆうた。特にこれといった特徴もない平凡な高校生。

 唯一、他の人と違う点と言えば家がとんでもなくお金持ちだということぐらい。そんな俺は、跡取り息子として厳しく育てられた。


 父さん、母さん、最初に謝っておこうと思います。俺はとんでもない親不孝ものです。


 俺は今、俺は異世界に転生しました。しかも"勇者"として。

何でこんな状況になったかって? そう、あれは数時間前のことだった。今思えば何であんなことしたんだろうな、柄でもないのにね。



------------------(数時間前)----------------------


 そう、アレは咄嗟の判断だった。

 日頃から世のため人のためになることをしなさいと両親に躾けられてきた俺は、その正義感から何かと人を助けることが多かった。


 いじめられてる子とか何人も助けてきたし、クラス委員長が全然決まらない時は立候補してその場の雰囲気と先生を救ったこともある。


 でも、今回ばかりは見過ごすべきだった。アレは助けに行ったら確実に死ぬ。でも、無駄に高い正義感からなのか、頭では理解していたのに反対に身体はそれと真逆のことをしてしまった。

 気付けば俺は走り出していた。


「もう、終わりだ。こんな辛い世の中からはおさらばしよう。」


 サラリーマンの男は電車が来た絶好のタイミングで身を乗り出す。

 今思えば、死ぬとしても人に迷惑をかけないとこでやって欲しかった。


 こう見えて俺はわりと運動は出来る方だ。特に短距離走なら陸上部といい勝負が出来るくらいに。


 俺は脱兎のごとくホームから落ちようとする男のところまで駆け抜けた。男の首根っこを掴み、全力で後ろへ投げ飛ばした。


 「きゃああああああああああああ!!」


 女の叫びが朝のホームへと響く。まったく、いくら俺がカッコイイからって興奮しすぎだよ。

 だが、俺はその叫びが悲鳴だったことをすぐに思い知らされる。ぐらりと身体のバランスが崩れた。


 そう、俺は男を助ける事で頭がいっぱいで勢いまでは計算していなかったのだ。


 フッと足場が消える感覚。浮遊感すら感じる。


「……、ん?」


 俺の眼前には線路、真横からは電車。耳に急ブレーキをかける電車の車輪の嫌な音が響き渡っていた。

 俺は走馬灯を浮かべる余裕すらなく、ただ漠然とこう思っていた。


 「(俺の人生、案外あっけなかったなぁ…)」


 直後に俺は電車に轢かれて内蔵やら色々とぶち撒ける結果となった。痛いとかいう次元を通り越して、もはや無だった。

 遠のく意識の中で、最期に俺が耳にしたのは助けたサラリーマンが呟いたセリフだった。


 「俺、ホントは死ぬ気なんてなかったのに。どうしようコレ。」


 生まれて初めて本気で殺意が芽生えた瞬間だったが、俺はそのまま息絶えてしまった。

はじめまして!マサヨシと申します。

今回の"勇者って最強職じゃなかったっけ!?"は自分の処女作となります。

至らぬ点もあると思います!楽しく書いていこうと思いますので、よろしければ続きも読んでくださると大変嬉しいです!

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