選抜試験 1
西暦2714年。世界が1度目の終わりを告げてから500年近くがたっていた。
その1度終わった世界で寝坊し、全力ダッシュで教室に入ったが、待ち構えていた教師にボコられているのがこの神野サイガだ。
サイガ曰く 「今日のはセーフでしょ!」らしい。
そのセリフを口にした瞬間、教師のパンチがサイガを襲う。それはサイガの顎にクリーンヒット。
綺麗な弧を描いたそれはまさに、クジラが宙を舞う瞬間のようだったという。
時間は少し進み、一限目の終了後の休み時間である。サイガ達は次の授業である「実技演習」の準備のため、男子更衣室へ移動中だった。
「今日のは明らかにセーフだろ。マジ痛てぇ・・・。」
「いや確実にアウトだったろ?あれ。」
サイガのボヤキを完全否定するのは日野カイト、サイガの幼なじみというやつだ。
天パとやる気の無い目が特徴の彼は淡々と言葉を続ける。
「お前のその遅刻癖どうにかなんねぇのか?ついでにそのつり目と頭のツンツン。」
「低血圧気味のやつに聞くなよ。あとつり目は生まれつきだし髪型に関しちゃお前に言われたかねぇっつの!」
生まれ持ってしまった目つきには反論し、髪型に関してはカイトは人に負けない程度のものを持っているのでこれには切れた。
そうこうしていると後ろから声がした。
「ほら、2人とも!早くしないと演習遅れるよ!」
声の主は柊ユイ、彼女もサイガ達の幼なじみだ。背はあまり高くなく、少し幼いという印象のある少女だ。だが、
「お前着替えるの早ぇな。あ、早着替えのコツはその幼女体型にあったりしゴッファァ!?」
聞いたこともないような声を出し、撃沈するサイガ。
その横で満面の笑みを見せながら、
「いっぺん死んでこい。」
それを見ていたカイトは戦慄し、同時に休み時間の終了を告げるチャイムが響きわたった