3.学校へ行こう!
早速学校へ行きましょう!
マニュアルでは今日は入学式。
藤咲さんとのファーストコンタクトの日です。
イジメの方法などは、マニュアルに載っているので参考にしましょう。
男達への誘惑方法も載っていたけど、元男にできるかな?
などと考えながらマンションを出て学校へ向かった。
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迷いました……。
学校までそんなに離れてないって載ってたのに。
「ネコさん。学校どこ……?」
「ニャー?」
周りに人が見当たらなくて、仕方なくネコさんに聞いても分かる筈もなく、しゃがみ込んでネコさんと話すしか無いのです。
こんな調子で藤咲さんのことイジメられるのかな?
ぅうぅうう。泣きそうです。
「どうしたの?そんな所でしゃがみ込んで。
見た所同じ高校だよね。」
急に声がしてビックリしつつ、後ろを向くと自分と全く同じ制服をきた女の人がたっていた。
髪の毛は茶髪のハーフアップで、後ろ髪を少し大きめのリボンでいる。
目はおっとりとしていて、なんとも優しそうな雰囲気をだしていた。
「はい…、道に迷っていて途方に暮れてたのです。」
「えぇ!?学校はあれだよ!?」
女の人が指をさした方向を向いた。
しかし、見当たらない。
あるのは住宅と修道院みたいなのしかない。
「ありませんけど……。」
「あの赤い屋根の建物だよ?」
「あの修道院見たいのですか?」
「そうだよ。あれが私達が通う高校。
聖グロリア学院だよ。」
なんと!
こんな近くだったのですか!
は、恥ずかしい!
「すぐ近くなのに迷うとは……
恥ずかしい!」
「クスっ、可笑しな人ですね。
あ、他意はないの。
貴方は可愛いから、見てると和むの。」
こんな綺麗人から可愛いと言われた。
なんか嬉しいですね。
思考まで女の子化ですかね。
「良かったら一緒にいかない?
これも何かの縁かもしれないから。
あとバッチ見る限り同じ一年生だよね?タメ口でも全然構わないからね。」
バッチ?
あぁ。マニュアルにそんなこと載ってましたね。
赤〜一年生
青〜二年生
緑〜三年生
だった気がします。
「よろしくです。」
「ふふ、じゃあ行きましょうか。」
早速友達ゲットです!
あれ?これからイジメをするのに友達作っていいのかな?
「私の名前は"みらい"といいます。」
「麗奈です。」
それからたわいもない話をしながら学校へいった。
学校の玄関に着くと数人の人が何かの張り紙を見ていた。
あぁ、クラス分けですね。全部で4クラス。
えーと、僕のクラスは…、1-Dですね。
「私は1-Cだよ。」
「僕は1-Dなのです。」
あらら。クラスは別々ですね。
少し残念なのです。
ん?あれれ?
ふと、1-Cのクラス分けを見たのに"みらい"の名前は一人しかいないのだ……。
ま、まぁ一度苗字を聞いてみましょう。
「みらいちゃん。貴方の苗字って……。」
「?藍田だよ。
それがどうしたの?」
あー。失敗しました。オワタです。
この、藍田 未来さんはこの世界のサブ主人公なのです。
僕は"未来"を"みく"だと読んでいました。
サブ主人公という事は僕のイジメ対象なのです。
仲良くなっちゃったじゃないですか!
読み方紛らわしいのです!
神の悪戯だ!
「大丈夫?なんか悩んでるみたいだけど…。」
「ごめん……、僕と貴方は悪役とヒロイン。
仲良くできないのです…。」
「ん?悪役?ヒロイン?」
「次会ったら覚悟するのです!
さらばです!」
僕は勢いよく走って1-Dの教室へと向かった。
うぅ。こんな別れ方は悪役ではなくてただのキチガイです。
周りの人もこっちを見てるし。
恥ずかしいよぉ。
しかし!こんな事で挫けていてはダメですね!
まだまだこれからです!