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第53話 学院祭!!

盛り上がる会場を背に訓練場を出ると、笑顔のクレアが俺を出迎えた。


「圧勝だったね」

「そうか?割と僅差で勝った感じだったろ?」

「相手の先輩って水魔法に関してはちょっと有名なんだよ?その先輩得意の【ウォーターアロー】の連射を全部躱しておいて僅差はないよ、圧勝だよ」

「マジか、じゃあ次は1つ2つ攻撃受けとくか……」


だって魔法の速度遅いんだもの、避けるじゃん、本能で。

まぁ取り敢えず魔法を全部避けるというのはナシで、それっぽく善戦しましたみたいな雰囲気出していこう。最終的に勝つのは俺だがな。




少し時間が経って今回はクレアの予選一戦目、相手は同じ2年の女子生徒だ。


「わかってると思うが古代魔法は使うなよ?」


クレアには一部だが俺が直接古代魔法を教えている、主に風魔法、まぁ自衛のためだ、過剰防衛になりそうな気しかしないが。

クレアは魔力制御ができるからな、コツさえ掴んで、かつルーンさえ理解すればあんなもの誰でも使えるし。しかし逆に言えば魔力制御を出来る奴はいまは少ないらしいから、古代魔法を使える人間は限りなく少ないとも言えるだろう、古代魔法が使えるだけで話題になるし、さらにクレアの正体がバレれば途方も無く面倒なことになる、それは避けたい。

ちなみにクレアは古代魔法は風が上位まで、火が下位まで、現代の魔法は中級までしか習ってないのでそこまでしか使えない。


「分かってるって、大丈夫大丈夫!」


しかし俺の思いが通じているのかいないのか、クレアは笑いながら俺のそう返してきた。

……こいつ分かってるんだろうな?魔法を教えてて分かったが、魔法を使う為の資質はかなり高いが、頭のほうがあまり良くない、いやまぁ普通といえば普通なんだが……不安が拭いきれないな。


「じゃあ行ってくるね!」


クレアはニコニコと手を振りながら訓練場に向かっていった。


「……大丈夫だろうな……」


やっぱり不安が(ry




はい試合終了、結果は勿論クレアの勝利。

試合が始まるとすぐに相手の女子生徒が風魔法を使おうとした瞬間にクレアが即【ウィンドアロー】を使って先制、その後下級魔法で牽制しながら2発入れて試合終了。それとあの腕輪は攻撃の判定にインターバルが存在するみたいだ、大体数秒程だが、それで連続で3回攻撃してもすぐ勝利にはならないようになっているらしい、俺のときは相手の攻撃を避けてたから大丈夫だったわけか。


兎も角一回戦は俺とクレアも無事に勝ち残ったわけか、レイザックとマリアも大丈夫だったみたいだ。

今日はあと2、3回予選があるみたいだし、前回の反省も踏まえてもうちょっとギリギリの試合をしてこようか。




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




時は過ぎて準々決勝、まぁ各グループの決勝だ。

勿論Dグループの決勝は俺とクレア。俺は初戦以外は試合中に1、2発の魔法を故意に、それでいてさり気なく掠りながら勝ち進んだ、クレアはどこか不満気な様子だったが、周囲の反応を見る限り大丈夫だろう。クレアの方はというとご丁寧に俺の分まで圧勝してくれた、それはもう、相手が攻撃する隙も与えずに勝利することも多かった、少し手ごわいらしい生徒も出てきたには出てきたが瞬殺されていた。

クレアが強すぎて会場が静まり返るんじゃないかと思っていたのだが、俺の予想に反して会場は大盛り上がり、一方的な試合とかの方が逆に盛り上がるのか?まぁ確かに激しい攻防を繰り広げる様なハイレベルな試合よりはまだマシだがそれでも平凡な生徒同士の試合よりは遥かに熱気がある。確か去年のジェニーも今思えばこんな感じだったな、レイザックは違ったが。

クレアはもともと有名?みたいだったし、それもあるのか。しかしさっきから男の視線が妙にウザイ、殺っちゃってもいいだろうか。あれか、嫉妬か。つい最近までは無かったクセに有名になった途端これか、まったく……人間ってやつは……


「えへへ……私とアリスって実は一度も模擬戦すらしたことないよね」

「?あー……あぁ、そうだな」


授業で模擬戦みたいなものが数回程あったが俺は全部レイザックと組んでいる、クレアはマリアとだ。いや別にクレアと組むのが嫌な訳ではないのだが……


「アリス、本気出していいからね?」

「ん、あぁ、まぁ頑張りますよ」

「むぅ……」

「それよりも、俺との試合だからってハメ外して古代魔法とか使うなよ?」

「分かってるって!それよりもわざと負けたりしたらダメだからね!」

「はいはい、了解了解」


俺はクレアと別れ、反対側の入場口へと向かった。

ちなみに他のグループだが、既に決勝が終わったAグループの代表者はやはりレイザックだった。いくつか危ない試合もあったらしいがなんとか切り抜けたらしい。Bグループは残念ながら知らない生徒だった。

マリアは2回戦あたりで負けていた、まぁもともと戦闘が出来る訳じゃなかったし、マリアはどっちかと言うと文官タイプだからな、頭はレイザック以上に良いぞ。




〈それではッ!只今よりCグループ決勝戦を行いますッ!両選手入場してくださいッッ!!〉


そういう訳で俺は訓練場に入る、観客の熱気はいままで以上だ、まぁほとんどクレアのせいだと思うが。


〈ここまで全ての試合を圧倒的な強さで勝ち進んできたフェイシス選手ッ!対するは強いのか弱いのか良く分からないと評価をされる謎の実力を持つ男、エステリア選手ッ!さぁ!この決勝ではどういった戦いを見せてくれるのでしょうかッッ!!!〉


俺とクレアを紹介するアナウンスが流れるのか、俺とクレアの視線があった。


――本気出してよね。


そう目で訴えられかけられた気がした。う~ん……本気か……今の俺じゃ本気っつう本気は出せないが、今の状態の全力でもこの訓練場が軽く吹き飛ぶくらいの力はあるからな、確実に死者が出る、非常に面倒臭い。だから――


手を抜いて行こう。もちろんわざと負ける気はないが……


〈両者構えッ!〉


その言葉でクレアは両手を突き出すような構えをとり、俺はすこし腰を落とした。


〈始めェッ!〉


「【ウィンドアロー】!」


審判の合図が掛かると同時にクレアが初級風魔法【ウィンドアロー】を連射(・・)した。これまでは基本的に単発でしか使われなかったこの魔法だが、別に単発でしか撃てない訳ではない、魔法が発動する際に一部の魔法では、持続的に魔力を送り続けることで連続的に発動させることが可能なものがある。

とにかくも、クレアの持つ膨大な魔力を存分に使って、俺の目の前には数十本の風の矢が生成される。


「【ウォーターウォール】」


対して俺は中級水魔法【ウォーターウォール】を使ってその風の矢を全て受け止める、しかしクレアもすべて真正面に撃ってくる筈もなく、数発は水の壁の横から俺を直接狙ってきた。魔法をカーブさせるとか割と凄い技術なんだけどなぁ……

俺はその数発の矢を難なく躱すが、壁のほうが限界らしく、水が音を立てて崩れ始めた。


「【ウィンドカッター】!」


そこに空かさずクレアが追撃を放つ。【ウィンドカッター】は風の刃を作り出す魔法だが、魔力の反応が大きいし、恐らく【ウォール】系の魔法では防げないほどに魔力を込めているのだろう。再度【ウォーターウォール】使ってみたがあっさりと切り裂かれてしまった。


「じゃあ【ウォーターカッター】」


俺の手から少し離れた空間からどこからともなく勢いよく水がクレアに向かって発射される、クレアの【ウィンドカッター】とぶつかり合って水があたりに勢いよく飛び散り、風の刃も勢いをなくし、だんだん小さくなっていき、そして俺に触れることはなかった。

そしてここで一息。先ほどまでやけに静かだった会場が一気に湧いた。

クレアを見ると嬉しそうに笑っており、俺も観念して苦笑いを返す。


「分かったよ……後始末は俺がしてやる、本気でかかってこい」


会場が五月蝿すぎて聞こえないだろうと思って魔法で俺の声をクレアに届けた。すると俺の言葉を聞いたクレアがニィと口の端を釣り上げた。

さっきまでの和やかな笑みではなく、好戦的な笑み。ピリピリとした威圧感が俺にも伝わってきた。

俺も負けじと笑みを返す。

さぁ、本番はここからだ。

どうもみなさん!作者です!

いやー今回は久々に早めの更新をすることが出来ました!ところでこの話を書いているときに思ったのですが、これグループじゃなくてブロックじゃね?Cブロックとかそんな感じのほうが良くないですか?あ、どうでもいいですか?


さてさて、次回更新は安定の一週間以内、僕が頑張れば3日以内には投稿することが可能なはずです!頑張れ自分!


よろしければお気に入り登録または評価のほうもよろしくお願いします!



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