初心者のための魔法講座
更新が遅くなっちゃってすいません!
今回はザ・説明回となっております。ところどころおかしいところがありますが、見逃してください。
目が覚めるとそこは知らない天井だった。
...あぁそうか、そういえば俺異世界に来たんだっけか...おおう、思い出した思い出した。
起きてから数分経って、やっと俺の頭は活動を再開したみたいだ。今日はたしか村長に魔力の制御の仕方を教えてもらうんだっけ?
俺はその後村長と共に朝食を摂った。日本にいた頃に読んでた小説で、異世界の食べ物、特にパンはガチガチのパンで日本人が大好きなふかふかのパンじゃないとかよく書いてあったけどそんなことはなかった、むしろ程よい硬さと甘さがあって美味しかったし、ほかの料理もこれまた美味しかった、肉料理の肉があのワイルド猪の肉だと聞いたときは微妙な気分になった...美味しかったけど。
食事中に村長の昔話を聞いていたんだが、このエルフの村長は、なんでも俗に言う生活魔法なるものを作った張本人らしい。なんでも仲の良かった獣人に、魔力の少ない獣人でもなんとか魔法は使えないか?と相談されたらしく、その後数年かけてライター程の火を灯す魔法や、松明の代わりになる魔法などなどその他多数の魔法を編み出したらしい。その魔法はその後生活魔法と呼ばれ、獣人を通って人間にも伝わったらしい。俺が思っていた以上に村長は凄い人だった。
そして遂にやってきたぜこの時が!魔力が制御できるようになれば遂に俺も念願の魔法が使えるようになるんだ!ふぉぉ!!テンション上がってきたぁぁぁぁぁぁ!!
「...アリス君、あまり興奮しないようにね?初めのうちは感情に魔力が左右されやすいから...」
「...はい」
...よし、落ち着いて行こうか。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「うぐぐぐ....」
皆さんこんにちは、ただいま絶賛魔力制御の特訓中であります、といっても俺まだ魔力を全く制御できてないんだが、大丈夫かこれ...一人で手の平を突き出して唸ってる奴とかだいぶ痛いぞ、大丈夫かこれ...大丈夫かこれ!?
村長が言うには魔力は基本的に頭でイメージして制御するらしい、そして俺はさっきから手の平に魔力が集まるようにイメージしているのだが全然うまくいかない。
そんな俺をみて村長が痺れを切らしたのかある提案をしてきた。
「...アリス君、こうなったらもう私の魔力で君の魔力を引っ張るしかないね」
「魔力を、引っ張るんですか?それでどうなるんです?」
「うん、これをやれば多分魔力の制御はできるようになるとは思うんだけどね...」
村長...ならそれ最初っからやってくださいよ...さっきまでの俺がバカみたいじゃないか...
「...んだ..」
「え?」
「これ、凄く痛いんだよね...あ、もちろんアリス君が」
おおうそんなことですか、痛みぐらいなんですか!その痛みの先に希望が待っているなら俺はたとえこの身が焼かれる痛みさえも耐え抜いてやりますよ!
俺はそう意気込んで、村長に速攻で承諾した。そして申し訳なさそうな村長に言われるがままに俺は右手を差し出すと、村長は右手に手をかざした、多分魔力を込めてるんだろう。
まぁ、そう思ってた時期が俺にもありました...
結論から言おう―――
「いだだだだだだだだだだだだだだだだだ!!!!!」
「我慢してくれアリス君、もう少しだ」
「手がもげるぅぅうぅぅぅ!!!」
これ無理。
あのね、これ凄い痛い、尋常じゃないよこれ。始めにピリッときたときは「あぁ...こんなもんか」と思ってたけどそっからどんどん痛みがまして、今じゃ無理やり手首が引きちぎられる感覚が延々と続いている、しかもなぜか俺の右腕は見えない何か押さえられているように動かない。時間にしてまだ数分だと思うがこの激痛の中だとこの数分が数時間のように感じた。
そしてふっと俺の右手に走っていた激痛が消えた。
「アリス君、出たよ!」
「うぇっ!?」
村長にそう言われて俺はさきほどまで激痛が走っていた右手を見た、すると右手からドロッとした液体じみた何かがでてきた。スライムかこれ?
俺がポカンとしていると村長はふぅと息を付きながら説明を始める。
「見えたかい?これが魔力だよ」
「おぉ...これが...」
ドロォっとしたものはそのまま右手の周りをふよふよ浮いていたが、しばらくすると消えてしまった、俺の右手からももうドロっとしたものは出てこない。
兎に角あのドロっとしたものが魔力だというのはわかったがそれをどうすればいいのかが良く分からん、これで魔力が制御できるようになったのか?
俺が考え込んでいると村長は説明を始めた。
「アリス君、さっき見たものをもう一度頭に思い浮かべてごらん」
「は、はい...」
俺は目を瞑って頭でイメージする。うーん...ドロドロしたものが右手から出てそのまま浮いているのを想像すればいいのか...?どうなんだこれ、できてるのか...?
「アリス君、右手を見てごらん」
「え?...おぉ!」
村長にそう言われて俺が自分の右手を見るとそこにはまたあのドロドロしたもの、つまり魔力が浮いていた。俺はそのまま魔力が出るように頭でイメージすると、右手からはさらに魔力でてきた。
なるほど、イメージか。ならさっきまで俺はなんでできなかったんだ?イメージはきちんとできていたんだが...
そこのところも村長は俺に教えてくれた、簡単にまとめると1+1という式があるとして、それの答えがいくらなのかははじめは分からない、ただその式の解き方を学べば答えが2だということが分かる。
俺は最初、魔力がなんなのかがそもそもよくわかってなかった、それを村長が無理やり見えるようにして、俺は魔力がどういうものかを認識した。魔力がどういうものかわかればイメージもより明確なものになるから俺は手からあのドロドロの魔力を出すことができた。つまりなにがいいたいかというと、魔力の制御ができるようになったということだ。
だが魔力の制御ができたといってもこれはまだ基本にすら達していないらしい。
まずはあのドロドロした魔力を安定させて、水のような魔力にし。そのあとはその魔力が見えなくなるまで薄くする練習をした。
俺がさっきまで扱っていたあの魔力は恐ろしいほど密度の高いらしく、そのままじゃ魔法に使えないらしい、だから普段使うレベルまで薄くするわけだ。最終的に俺は魔力が見えなくても制御できるようになった。これで魔力の制御はほぼ完璧だと言われた。
その後、俺はそのまま魔法を教えてもらおうとして忘れていた事を思い出した。
「そういえばアリス君はルーンがなんなのか知らないんだったね」
「すいません...」
そう、俺はルーンが何かが分からない。試しに世界のすゝめに書いてあった呪文を唱えてみたがやっぱり魔法は使えなかった。魔力制御のときと同じでルーンもコツとかあるのだろうか。
「じゃあ、説明するね。ルーンとは―――」
村長の話は無駄(話の脱線)が多かった。
村長から聞いた話をまとめると、つまるところ、ルーンとは言葉の意味を表しているらしい。
日本語で炎と言うと、頭には燃えるというイメージが浮かんでくると思う、これは日本人聞けば多少は違えど似たような答えが返ってくると思う。つまり炎という言葉には「燃える」というルーンがあるといえる。そしてルーンは魔力を込めることで魔力をルーンに沿った動き、現象を起こすことができるらしい。魔法はこのルーンを組み合わせているんだとか。
そして最後に魔法名と言うものがある、俺が昨日見た姫様の魔法の名前は【フレイム】、あれは極端にいうと「フレイム」という魔法のルーンが込められている。何言ってるかわからない?大丈夫、俺もだ。
エルフが使う魔法の一つ【フレイム】だが、これの呪文(アラン語)は「我が力を喰らえ。炎を我が手に。我が道を阻む者を打ち砕く。【フレイム】」という。
「我が力を喰らえ」というところには我=自分、力=魔力、喰らえ=使用、というルーンが組み込まれている。つまり「自分の魔力を使用する」という意味になるわけだ。それなら「自分の魔力を使用する」でもいいんじゃないか?というとそうでもないらしい。「我」と「自分」というアラン語は同じ意味、つまり同じルーンがあるわけなんだが、なんでも「我」のルーンのほうが格段に魔力を込めやすいらしい。なぜかは分かってないらしい。
そして呪文を唱えた最後に必ず【フレイム】という魔法名のルーンに魔力を込めないと魔法は発動しない。魔法名を言わずにそのままいると、その前のルーンもバラけて魔力が霧散するらしい。
「なるほど...それで村長、ルーンについてはわかったんですが、どうやって魔力を込めるんですか」
ぶっちゃけそれが一番重要なことだ。
ルーンがなんなのか分かっても、魔力の制御ができても、ルーンへの魔力の込め方が分からないと魔法は使えない。
「私はもう無意識に使っているからね、そうだね...わかりやすく言えばルーンに魔力を込めた状態で呪文を唱えるんだよ」
なるほど、分からん。
取り敢えず俺は試してみることにした。イメージとしてはそうだな...声に魔力を乗せる感じでいいか。えーと呪文は...もし【フレイム】とか唱えて成功したら危ないから生活魔法の【エイブ】を使うか、ちなみに【エイブ】は小さな火を出す魔法だ。
「我が力を糧とし、発現せよ【エイブ】」
ボゥという音とともに俺の手の平にはゴルフボールくらいの火の玉がでてきた。
「うん、ちゃんと使えたようだね、おめでとうアリス君」
「あ、ありがとうございます!」
いや、感動するのはいいがまだだ、まだこれからだ。いまはまだ生活魔法が使えただけだ、ふふふ...夢が広がるぜ!
俺はその後、【フレイム】を成功させ、【フレイム】を小さくして散弾のようにばらまく【アルフレイム】、【フレイム】の上位魔法である【メギドフレイム】、そして【メギドフレイム】さらに上をいく【ヘルフレイム】という魔法を教えてもらった。さすがに【メギドフレイム】と【ヘルフレイム】は使わせてもらえなかったが、それだけ危険な魔法なんだろう。
そうしてこの日の魔法練習は終わりを告げた。
書き始めると一瞬なんですがねぇ....どうしたものか...
次は...早めにあげます!
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