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第47話 レスニア教総本山突入作戦!(笑)

お待たせしました!

現在地はリリカルガ王国のマナカミの街。

あれから俺たち3人は、森を抜けてレスニア教の総本山があるこの街に来ていた。森を抜ける途中で、数回ほどアイビスを追っていた信者を見かけたので、アイビスに一言入れてから軽く屠っておいた。俺はともかく、クレアとアイビスは大丈夫かと思ったが割と平気そうだった。アイビスは知らんが、クレアは”心の色”が見えるからな、その影響だろう。

案外森の奥深くまで来ていたようで、一時間程度で無事に森を出ることができた。

とりあえずこれからどうするかだが、レスニア教はこのままほっとくと、面倒な事件を起こしそうなので俺は潰すことにした。アイビスは少し悲しそうだったが、もう今のレスニア教には価値がないとかいっていた。


俺たちがいるマナカミの街だが、これが酷い有様だった。俺がいまの時代で行ったことのある街といえば、ティリス王国のノクタスとシルヴァニアの街、あとはユイレニア王国のコウクンの街のみだ。この3つのどの街も活気が良く、設備も整っていたため忘れていたが、基本的にどこの街にもスラムというものが存在する、そこらじゅうの人間はすべてやせ細っており、活気の「か」の字もない、雰囲気が暗い。

アイビスの話では、レスニア教の司教が交代してからものの1年足らずで見事に状況がここまで悪化したらしい。流石にスラムを無くすなんてことは出来なかったらしいが、それでも今よりは遥かに規模も小さく、街全体で見れば笑顔の絶えない平和な街だったとか。

それが今では街の半分以上がほぼスラム同然になっている、よく見れば怪我人もたくさんいるな。レスニア教の教会に行けば傷を治してくれるんじゃなかったのか?


「昔はそうだったわ、でも今じゃ回復薬や治療魔法使いの類は全て金持ちの貴族や商人のためだけに存在しているようなものよ」


アイビスに聞いてみるとそんな答えが返ってきた。


「昔は、まぁ無料は運営的に厳しかったからないんだけど、それでも格安で治療を受けることが出来たの。でも今はその料金を上げに上げて、一般市民にはほとんど行き渡らないようにしているの。そうね……昔は【エイド】で100ジル、回復薬1つで200ジルだったわ、今は両方共に軽く100倍は値上げされてるわ」

「100倍ってことは……10000ジル!?金貨1枚ってこと?」

「そりゃまた大きく出たな、だがそんなに値上げして大丈夫なのか?この国には他にも治癒魔法使いを抱えてるとこはあるんだろ?」

「裏で繋がってたのよ、あいつらは金に貪欲だから、ただ単にレスニア教に逆らえなかったってとこもあると思うけど……そんな中でも負け時といつも通りの値段で治療を続けていたとこは真っ先に潰されたわ」


なんとも言えないな、取り敢えずいまのレスニア教のトップは金の亡者ということか。それを潰したところで何が変わるのかは知らないが、あるかないかどっちがいいかと聞かれればないほうが良いだろう。

それとさっきから俺とクレアは兎も角、アイビスに渡した白色のマントのせいでかなり目立ってしまっている。周囲からの「なにあの3人組……」「ママーあの人たち変だよー」「シッ、見ちゃダメでしょ!」という視線がヒシヒシと伝わってくる、早いところ終わらせたい。


アイビスに案内してもらって、レスニア教の教会本部にたどり着いた。本部の建物はやはりデカかった、この教会ができたのは今から数十年前らしいのだが、その年季を感じさせることのない美しい姿を保った建物だった。

俺たちは物陰からコソコソとその建物を眺めている。教会の門の前には門番と思われる兵士が2人いた、さっきから見ているがあまり活気がないようにも思える、アイビスが逃げ出してそれどころでは無くなったのだろうか。


「遊んでるんでしょう、あいつらは真面目に仕事なんてしないわ、仕事をするのはきまって地位が低い者たちよ。上の連中は基本的に酒、博打、それと女の3つしかしないもの」


俺の感想にそう答えるアイビス。酒、博打、女て、典型的なダメなやつじゃないか?そうじゃない?そうだろう。

さすがに真正面から兵士を倒して建物に突撃するわけも行かないので、アイビスから建物内の情報を聞いて、その結果、上から侵入することにした。


「上?」


俺の言ったことに理解が追いついていないアイビスがコクッと首を傾げた。


「そう、上だ」


俺は建物の上の方を指差しながらニッコリと笑った。


「あらかわいい」

「鼻血出そう」


ちょっと緊張して大人しくなったのかと思った俺が馬鹿でしたよ。

俺は以前と同じく、オーラで身体能力を強化して、クレアとアイビスを抱きつかせるような感じで抱える。2人の鼻息が粗い、こんなときでも無ければそこらへんの池に投げ入れるところだ。

そうそう、言うのを忘れていたが最近やっとレイドオーラをまともに使うことができるようになった、レイドオーラは奇襲や襲撃に向いているし、能力も高いからな、今回はこれが主になるだろう。

俺はレイドオーラ特有の灰色っぽい霧のようなモノを纏いながら、地上を蹴って空中に飛び上がる。少し誤差を【フライ】で微調整しながら何事もなく教会の上のほうにたどり着いた、傾斜がキツイ。どちらかというとこの教会も城っぽい感じなんだよな。

それから俺はその場で【エコーロケーション】を使う。一応教会の内部は警備が巡回しているのか……それと建物内に人間が一箇所に集まっている部屋があった。超広いしなんかベッドとか毛布とか凄いあるんだけど、太ったやつが痩せたやつに乗ってんだけど、腰カクカクしてんだけど、吐きそう、死にたい。そこから少し離れた部屋にも同じような現象が見られた、太ったやつ一杯いるんですけど、それに対して痩せたやつ少なくないっすか?吐きたい、死ぬ……


「アリス……?なんか顔色悪いけど何があったの?」

「うぷ……太ったやつが……痩せたやつに乗って……腰カクカク……」

「あぁ……そういうことね……聖職者としてあるまじき行為だわ……」

「アリスにそんなもの見せるなんて……許せない」


どうやらあの言葉で2人は俺がなにを見たのか察してくれたらしい。

取り敢えず俺は深呼吸をして心を落ち着かせた、そして俺は”倉庫”から鍵爪の着いたロープを取り出す。ちょっと出っ張ったところに引っ掛けて、ロープを垂らしてハイ完成。俺はそのロープを伝って窓のそばまで降りて、【サイレント】という風魔法で窓ガラスが割れた音がしないようにしてから窓を割って侵入する。


無事に教会内部に侵入した俺たちは、アイビスの提案で警備の目を避けながらまず司教のいると思われる部屋に向かうことにした。

俺の【エコーロケーション】のおかげで警備を避けるなんて芸当は難なくこなせたので良かったのだが、その司教がいる部屋は先ほど俺がみたあの大部屋だった。部屋の扉は金の装飾が施されており、成金趣味満載だった。この部屋に来るまでにいろいろと教会内部も見てきたが、外見からは想像出来ないほどの煌びやかな雰囲気で、教会というよりは宮殿と言ったほうがふさわしいような内装をしていた。

中でナニをやっているかは把握済みなので、取り敢えずひと呼吸置いてから、俺は古代中位水魔法の【アクアブレード】で扉を切り刻む。ちなみにアイビスは仮面を外している、別に着けたままでも良かったのだが、その場合暗殺みたいになってしまうらしく嫌だと言った。


「むぅ!なにやつだぁ!」


部屋の内部は窓も全て隠して昼真だがかなり暗かった、いきなり光が刺したため、部屋の奥にいた丸っこいやつがこちらを向いた。


「うわキモ」

「なんか生臭くない?」


一言で言うなら豚、ここまで醜く太った人間を見るのはいつ以来だ?たしかに商人とかはよく太っているが、この世界で太っていると言えば裕福な証だ、太っているやつは意外とモテやすい、まぁ人にもよるのだが。

これはなんというか、自然の理から外れた太りかたをしている、なにあの腹、何段腹だよ、首ほぼ無ぇし。それに加えて部屋から漂ってくる生臭い匂い、しかもよく見ると痩せたのやつ(やはり女だった)がそこらじゅうに倒れていた、どうやらインテリアだと思っていたのは全て人間だったらしい。

豚が載っている女にはなんかドロっとした白いものがいっぱい着いている、女の目には光がなく、自我が崩壊しているようすだった、いや、崩壊させたのか……


「その娘……まさか修道女(シスター)?酷い……なんてことを……」


わぉ、奴隷かと思いきやまさかの修道女(シスター)、薄い本が分厚くなるな。


「ん~?……誰かと思いきや貴様アイビスかぁ?なぜこんなところにいるのだ、早く自分の持ち場()に戻らんかっ!」

「……」

「どうしたっ!さっさと戻れと言っているのだぁ!」

「……残念だけど、私にはもう隷属術式はないわよ」


ちょっといい?吐きそう、それはもう凄い勢いで。こいつの声ちょっとダメだわ、俺生理的に無理、クレアは耐え切れなくなったのか俺の外套に仮面を埋めて静かにしている。


「フン……どうやらそのようだなぁ、まぁいい、どうやったかは知らんがないならまた施せばいいだけの話よ、さぁ、こっちに来るんだぁ」

「来いと言われて行く莫迦がいるかしら」

「ん~?そうかそうか……この俺様に生意気な口をきいたことを後悔させてやる……グェッヘッヘ」


え、こいつ自分のこと俺様とか言うの、マジ引くわ。笑い方もどうにかしろよ、よくここまで人の不快感を煽ることができるな……逆にもう才能だろこれ。

気色悪い笑い声を上げながら、豚は近くにあったベルのようなものを鳴らした。乾いた音が響いたと思うと、すぐさま大量の足音とともに兵士が現れた。ざっと十数人ってところか。


「グェッヘ!……そいつらを捉えろぉ!」


豚がそう言うと、フルフェイスの顔を隠した兵士たちが俺たちの周りを囲い込む、隙間からチラッと見えた目はそこの女と同じく光を失っている、左腕に魔力が集まっている、恐らくアイビスの言う隷属術式だろう。まぁいちいち隷属術式を壊して助けようとか思わないですけど。


「んん?……しばらく見ない合間に良い身体になったなぁ……グェッヘッヘッヘ」

「っ!?……(やっぱり仮面付けとくべきだった……!)」


おい、ボソっと言ってるの聞こえてるぞ。


「グェヘヘ……そこのお前も外套をまとってはいるが良い身体してるなぁ……良し、その真ん中の男は殺せぇ、残った2人は儂が相手をしてやろう……グェヘヘヘヘヘ」


豚がそう言いながら俺に顔を押し付けるクレアの身体を舐めまわすように見た。


次の瞬間、周囲の兵士が弾け飛、豚の四肢が吹き飛んだ。

俺からはドス黒いオーラが立ち上った。

どうもみさなんお久しぶりです!作者の僕ですよ!

ちょっと最後だけ中二っぽい感じになってしまいましたね……まぁいいや!

僕自身は日常モノよりも戦闘モノのストーリーが好きなんですけど、戦闘が上手く書けないという衝撃の大欠陥。なんてことだ……!

どちらかというとアリスたち3人が百合百合している場面のほうが遥かにスムーズに筆が進むんですよね……どういうこった……


それはそうと、総PVが75万突破しました!総合評価も3500ptを超えましたし!やったぜ!


それでは次回更新の予定ですが……早ければ4日以内になるでしょう……月曜も僕は休みですし……週末課題はなんとかなるかな(白目


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