ここはどこ?エルフの里です
今回もゴリ押ししたから文章が変です、すみませぬ(◞‸◟)
俺は今、エルフの里とよばれる、エルフ達がすむ集落の目の前まで来ていた。
そして俺の身体は傷だらけだ、何故かって?そりゃお前森の中走ったからだよ。いまは歩いてるけど。
エルフが全員無傷だから獣道的なものがあるのかと思ってたんだが、森の木々はエルフがくると道を開けるように避けるんだよ。
そして後ろで一緒に走ってる俺もそのまま避けてくれんのかな?とか思ってたら見事に元に戻って正面衝突した、結局姫様を助けにいったときと同じように俺の反射神経に全部委ねて走ってきた、その結果がこの傷だという訳だ。まぁこの身体ならかすり傷程度どうってことないけどな。
そんなことを思ってたら姫様が近づいてきて俺に手をかざした、そして呪文を唱えると、手が光って俺の傷が治っていった。回復魔法か?便利だな。
「ありがとうございます」
「いえ、アリスさんのご恩を考えるとこれくらいどうってことないですよ」
俺は軽く頭を下げる。姫様がかわいい。
そしていまさらだが姫様の名前が分かった、「エイフィス・エレア」というらしい。
姫様はエルフの上位個体にあたる「ハイエルフ」の一族だそうで、普通のエルフよりも魔力が高く、身体能力も高いらしい、姫様はまだ子供だから身体能力はまずまずだが魔力量に関しては里でもトップらしい、ちなみにこれはエルフの隊長、アーノルドさんから聞いた。姫様は「そんなことないですよ~」と言って照れていた、かわいい。
そして遂にエルフの里に着いた。
里っていうからどんなものかと思ってたけど、想像と真反対のものが目の前にあった、壁があった。城壁と言っていいような壁だ、高さは4m程、門もしっかりとした造りだ。これは里っていうより砦と言われた方がしっくりくるな。
アーノルドさんが門に手を当て何かを唱えると、門がひとりでに開き始めた。門の開閉にも魔法が使われているのか、ほんと魔法って便利だな。俺マジで魔法使えないのかな。
俺が門をくぐるとそこには村があった。家は中世ヨーロッパに建てられそうなレンガで建てられた家だ。そしてエルフ達と別れ、俺と姫様とアーノルドさんが向かった先はその中でも一際大きな家、多分この里の長、エルフの村長的なのがいるんだろう。そしてさっきから俺を見るエルフ達の視線が痛い、イジメ反対。
アーノルドさんは村長宅(予想)の家の扉に手を当てて「村長、アーノルドです」と言うと「入りなさい」という声が返ってきた。インターホンかこれは。
俺は中に入り、さらに奥の扉をくぐる。
この部屋は執務室だろうか、足が短い机をはさんでソファーが置いてあり、本棚にはいろいろと書類や本が詰まっている。照明は良くわからんが魔法だろう。そして奥の執務机にはまたもイケメンのエルフが座っている。さすがエルフ、これまだ出会ったやつら全員美男美女だったぜ...末恐ろしいわぁ...
「アーノルド、それに姫様も、ご無事でしたか...む、そちらの方は人間か?アーノルド、説明してくれ」
「はい、こちらはアリス・アステリア殿。我々が魔物に襲われているのを助けてくださった方です」
「そうか、では彼をこの里に入る許可を出した理由を教えてくれ」
村長もやっぱりそれが気になるのか、正直いって俺も気になる。俺があのエルフ達を助けたと言ってもそれが罠じゃない可能性は決して低くない。もし俺がそういう人間だったら今頃あのエルフ達は売り飛ばされてるんじゃないかな。
さぁ、そこのところはどうなんですかねアーノルドさん。
「目です」
おっと見事な変化球、俺のミットにはボールが入っていませんぞ。
「目、だと?」
村長も微妙な反応だ、いきなりあんなことを言われたらそうなるのも納得だが。
「はい、アリス殿の我々を見る目には欲がありませんでした、代わりに憧れや嬉々といった感情が見て取れました」
マジで?俺そんな目してた?まぁ、エルフっつったら日本じゃ想像上の生き物だしな。俺自体がエルフ耳が好きだったということもあると思うが。まぁ俺がその視線を向けていたのは姫様だけだと思うが。
男のエルフも悪くはないが、男をマジマジと見つめる趣味はないからな。
「そうか、まぁ君はそういうのだ、間違いないのだろう」
おい村長それでいいのか。
アーノルドさん、あんたはよっぽど信頼されてるみたいだな。
「そういえばまだ名乗っていなかったね。改めまして私の名前は「ラヴィエ・アシュタルト」。このエルフの里の長をやっている者だ」
「えっと...アリス・エステリア、です」
「アリス君、里の者が世話になった礼を言わせてくれ」
「いえ、僕は大したことはしてませんよ」
話してみると意外と村長は優しそうな印象だった。アーノルドさんも別に性格が悪いってわけじゃないんだが、なにせ第一印象がアレだったからな、ちなみに性格は予想通りガッチガチの超真面目君だった。
「それでだねアリス君、君のことを里の者に紹介したいのだが、いいかい?」
俺のことをここのエルフ達に言うのか?...うーん、どうなんだろうか。OKなのか?
「大丈夫なんですか、エルフは人間のことが嫌いなのでは?」
「そのことなら問題ない、確かに我々エルフは人間のこと嫌っている者が多いが、私がこの人間は安全だと言えば、皆も受け入れてくれるだろう」
「そんなものなんですか...」
「村長は里の者に信頼されているからな、村長が安全だといえばたとえそれが邪神であっても安全だ」
村長の言葉にアーノルドさんが付け加える。
村長すげぇ、信頼ってお前...村長の発言が全てって訳じゃなさそうだが、それでも村長の発言力はかなり高いみたいだな。
俺もさっき外を歩いていたときのエルフ達の視線はキツかったからそれでいいならそれでいいか。
「じゃあお願いします」
「ありがとう、それでだね。それとは別に姫様や姫様の捜索隊のエルフ達を助けてくれた礼として何かしたいのだが...アリス君、何かないかね?私にできる範囲のことならしてあげられるが...」
「えっと、じゃあ森ので―――」
「アリス殿、森の出方なら私が後で教えてやるぞ」
「アッハイ、ありがとうございますアーノルドさん」
おっふ隊長そうですかありがとうございます。
そうか、出口は教えてくれるのか、そうかそうか...何もないな、俺が頼めることが何もない。生活に必要なものはこのポーチの中に入ってるしなぁ...どうしたものか...
「うーん...じゃあ剣術を教えてもらえませんかね...」
「うん?アリス君は剣士なのかい?てっきり魔法使いかと思っていたよ」
村長が不思議そうな目で俺を見ている、魔法使い?どっから見たらそう見えるんだ?あれか30歳越えてもDTだったら魔法使いになるとかいうアレか?俺ってそんなに老けて見えるか?今の容姿もかなり若く見えるはずなんだがなぁ。
そんな俺の考えを他所に、村長は俺にとってスーパーウルトラハイパーデンジャラスミラクルハッピーな言葉を放った。
「しかしアリス君の魔力量は凄まじいね、どうだい?剣術を習う合間に魔法もやってみないかい?」
なん...だと...
村長は「いやーこう見えても私は里ではトップクラスの魔術士なんだよー」とか言っているがいまは全く頭に入ってこない。
魔力量が凄まじいだと?どういうことだ?俺はあの本、「世界のすゝめ」に書いてあった魔法の呪文を唱えても魔法が使えなかった。それはイコール魔法が使えない、ってことじゃなかったのか?村長がどうやって俺の魔力量をはかったのかは分からないが、兎に角俺には魔力があるらしい、もしかして俺魔法使える?魔法でフィーバーできちゃう?
「あの、えっと...僕って魔法使えるんですかね?」
俺は村長に恐る恐る真実を聞いてみる。
「そうだね、どれだけ魔力量が少ない人でも生活魔法程度なら支障なく使えると聞いているし、君ほどの魔力なら大体の魔法は使えると思うよ?」
「でも僕、呪文を唱えても魔法が使えなくて...」
「アリス君...もしかして君、魔力を制御できていないのかい?」
「魔力を、制御ですか?」
そういえばあの本には、魔力をルーンに込めるとか書いてあったな、そういや俺魔力の使い方知らないんだった。そうか、俺は魔力が使えてないだけで魔力がないわけじゃなかったのか。
「うん...その調子だとルーンも知らないようだね...」
「はい...」
さすが村長、鋭い。
村長が言うには魔力の制御は比較的楽に習得できるそうだ、といってもこの世界じゃ10歳になる頃には全ての人間が使えるようになっているほど簡単らしく、それができない俺はその場の全員に哀れみの目を向けられた、もうやめて!私のライフはゼロよ!
俺はそれから里の中心あたりにある広場で村長に紹介された。里のエルフ達の反応が怖かったが「村長が言うならあの人間は安全なんだな」といった反応で俺の不安は杞憂だったようだ。
捜索隊のエルフ達はそのあとでお礼を言ってくれたし、こうしてみるとエルフは耳が長くて全員美男美女なこと以外は人間とあまり変わらないと感じた。
そして俺は村長宅の正直余っているという客室を使わせてもらえることになった。これで寝床にはこまらないな。
お礼の件ついては、まず魔法を教えてもらうことにした、はやく魔法を使いたいからな。剣術は取り敢えず魔法が一息ついてからということになった。
魔法は自称里トップの魔法使いこと村長が、剣術はアーノルドさんから教えてもらうことになった。
ふふふ...遂に俺も魔法を使える日が来るのか...
三つのうちの一番大きな太陽が沈んでいく、今日はいろいろなことがあった、というかありすぎた気がするが。
こうして俺の長かった異世界初日は終わりを告げた。
相変わらず短いで候。毎回1万文字以上書いてる人は何者なんでしょうか、それとも僕の頭が原因でしょうか。
次は何時になりますかね、一週間に1話は投稿したいですね。
そして次からは話の進むスピードが駆け足から全力ダッシュに切り替わります、多分。