表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/90

第17話 出くわした怨敵

遅くなりました!更新です!

 取り敢えず、まずは冒険者のランクを上げるために依頼を受けることにする。

 依頼用紙が貼り付けてある掲示板は、左から順にランクが上がって行く、ちなみに、受けられるランクは緊急の場合を除き、原則は自分のランクの2つ上まで、今の俺ならF+の依頼までなら受けることができる。

 それはともかく、俺は掲示板の左端にやけに多く貼り付けてある依頼用紙の一つを手に取る。依頼内容は薬草10房納品、すごく簡単そうだ。これがギルドが常に張り出している依頼の1つだ、俗に常駐依頼とかいうらしい。

 俺は取り敢えずやりやすそうな依頼を複数手にとっていく。

 毒消し草の納品だったり、害獣の駆除だったり、モンスター、昔でいう魔物みたいなものか?の駆除もあった。

 俺がその中から選んだものは、薬草10房と毒消し草10房の納品の依頼とゴブリン5体の討伐依頼だ。報酬は、初心者用としてギルドが出している依頼ということもあってか薬草と毒消し草のほうは銅貨3枚、ゴブリンの討伐依頼は銅貨7枚だった。30円と70円...

 ここらへんで一番安い宿は銅貨15枚程度だったはずだ、大丈夫なのか?いやまぁ、聞いた話ではゴブリンを10体狩れば、依頼を2回達成したことになるんだそうだが...そんなにゴブリンを狩ってこれる新人はなかなかいないらしい、俺の知る限り最弱の部類に入るゴブリンを狩ってこれないというのもなにかおかしい話しだが。土木作業の依頼もあったし、そっちで稼ぐのだろうか...それもう大工じゃないか。

 取り敢えずはこの依頼を受けようか。俺は手に持った依頼用紙を受付に差し出す、それからギルドカードも出しておく、ギルドカードの情報を更新するとかなんとか、俺はよく知らないし知ろうとも思わない。


「それではお気を付けて」

「ども」


 受付嬢からギルドカードを受け取ると、ギルドカードの依頼の欄に俺の受けた依頼内容が追加されていた。


==============

レイク・ドレヴィア 男

ランク:F-


受諾依頼

F-01 F-02 F-04

==============


 F-01とか言うのは依頼の識別番号だ、直接ギルドが出すような依頼は、依頼のクラス-番号になっている、個人がギルドを通して出す依頼はまた違うのだが、それはその時になればわかるだろう。

 取り敢えず、依頼内容である、薬草、毒消し草、そしてゴブリンがいる場所に向かう。その場所は通称”魔の森”、昔でいうところの精霊の森だ。




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




 ノクタスの街からも見える広大な森、通称”魔の森”。名前の所以はその名のとおり、魔物、いまはモンスターだったか?が出るからなのだとか。この森は奥地に行けばいくほど強力な魔物が出てくるらしいのだが、奥に入らなけらば比較的弱い部類の魔物しか出てこないらしいので、主に新米冒険者の訓練場のような役割を果たしている。確かに、奥が薄暗く、見えなくなるまで続く森の木々は、新米冒険者にほどよい恐怖心と緊張感を覚えさせるのに一役買っていそうだ。

 俺はそんな”魔の森”の前にいるのだが、なんだかやるせない気持ちになっている。そうというのもこの森、場所的にも完璧に俺の知る精霊の森のはずなんだが、明らかに木々の密集度が低い、昔はところせましとこれでもかというくらい、木が育つであろう最低ラインのギリッギリをいくように木々が茂っていた筈だが、今はそんなこともなく、普通の森というのがちょうどいいくらいだ、ちょっと歩くのに邪魔かな?くらいの密集度だ。

 地球みたいに環境破壊で森が小さくなったということは無さそうだが、どういうことなのだろうか。まぁ今は依頼のほうに集中しとくか。


 薬草は、そのまんま食べると凄く苦く、そして傷を治す効果も毛ほどもないただの雑草だが、すり潰してから乾燥させ、粉末状にして煎って水に溶かして煮込むと、身体の自然治癒能力を活性化させて傷を治すことのできる回復薬、俗にポーションと呼ばれるものが完成する。すごく手間がかかるが、この回復薬一つで自分の生死が関わってくるんだからそれはもう発売当初からの大人気商品なのだとか。

 昔はある程度の魔力量の持ち主なら、誰でも最低限の治癒魔法は使えたからこういったものは流行らなかったんだろうな、俺は持ってるけど。治癒魔法を使えるやつが少ない今だからこそ、こういうものが出回るんだろう。


「依頼内容は...薬草10房か、取り敢えず20房くらい引っこ抜いていくか」


 そう言いながら、地面に密集して生えている薬草を引っこ抜いていく、取りすぎると薬草が全滅して大変なことになるので、薬草を採取するときは生えている薬草の全体の1割が鉄則なのだそうだが、俺の見つけた薬草の密集地帯は、芝生のようにフッサァとなっているので、20房どころか100房くらい抜いても大丈夫そうだ、そんなにいらないが。採ったものは、面倒なので全て袋に入れて”倉庫”に突っ込んでおく。

 薬草の依頼内容は一応は達成した、あとは毒消し草とゴブリンか。

 随分と歩きやすくなった森を進んでいくと、毒々しい紫色をした植物を発見した、毒消し草だ。え?これ毒じゃね?と思わせるような凶悪な外見をしているが、これでも一応毒消し草だ、毒消しそうではないが毒消し草なのだ。ちなみに、毒薬の元となる毒草は、いかにも毒を消してくれそうなみずみずしい緑色で、水色の可愛らしい花を咲かせているのが特徴の植物だ、鮮やかな色のキノコは毒キノコだとか聞いたことがあるし、同じようなものなのだろう。取り敢えず毒消し草は薬草のときよりも、全体的な量が少なかったために、5房しか取れなかった、別に10房取ってもいいと思うのだが、この森の自然をこれ以上おかしくするのは気が引けるので、大人しく鉄則に従っておく。

 その後は、なかなか毒消し草を見つけることができずに、ウロウロしていた。そうしていると、俺が歩いている少し先の方から甲高い声が聞こえてきた。ギャッギャギャッギャ言っている正体はもちろんゴブリンである。

 ゴブリンは醜悪な面構え、低身長で頭に小さい角が生えている緑色の肌をした小さい魔物だ。魔物の強さ的には最弱の部類だ、だが最弱と侮ることなかれ、ゴブリンは脳が小さいのかあまり頭が良くないが、それでもその小さい身体からは考えられない筋力をしているので油断をしてはいけない、そしてご存知のとおり、ゴブリンは性欲が強く、ゴブリン同士で子を作るが、同種族意外にも人間や獣人の女性や、さらに豚顔の魔物で有名なオークの雌なんかも襲って繁殖する、そのため、人間や獣人の女性からは勿論のこと、オークにも性別関係なしに嫌われている。

 なぜこんな話をしているのか、昔の俺は勿論負けることはないと思うのだが、万が一負けたとして、男だったから殺されるだけだったのだが、今の俺は不運にも女なのだ、しかも12歳、これは噂なのだが、戦闘状態(意味深)のゴブリンのアレは、男に見せれば尊敬するほどのモノらしい、もう一度言うが今の俺は一応12歳、負ければ鬼畜の所業である。昔は女性の冒険者がやけにゴブリンや、同じく人間や獣人の女性を襲う魔物を敵対視していたのを遠い目で眺めていたが、自分が女になって直感で理解した。

 あいつらは生かしておいちゃいけねぇ。

 理解した。


 ギィギィと騒ぎ立てる声が近づいてくる、俺は腰のベルトに差している短刀を鞘から抜いて身構える。

 そして、遂に木々の間からゴブリンが姿を現した、俺がよく知っているゴブリンだ。相手は全部で5体、うち4体は木の棍棒だが、1体は冒険者から奪ったであろう剣を手に持っている。

 

「ギィ...!」「ギィギィ!」「ギィィィ!!」「ギャギャギャ!」「ギギギギ!」

 

 1体のゴブリンが俺に気付いたらしく、仲間に伝えるような声を出すと、ほかの4匹も興奮した様子で声を上げた。どことなく楽しいそうなのは思い違いだろう。そうであってくれ。

 ゴブリンたちが俺を追い詰めるようにジリジリと間合いを詰めてくる、ここで気づいたのだが、なにもこうもバカ正直に真正面から殺り合う必要はなかったんじゃないか?奇襲を仕掛ければそれだけで数体、いや5体とも殺れる可能性があった訳だし、なんという凡ミス。

 そんなことを言ってもすでに後の祭り、ゴブリンたちは騒ぎ立てながら今もジリジリと迫ってきている。そして5体のうち2体が同時に俺めがけて攻撃を仕掛けてくる。


「ギギィ!」「ギャッギャ!」


 癪に障る甲高い声を喚き散らしながら、棍棒を俺に向かって振り下ろすゴブリン2体、もちろん俺はそれを数歩後ろに下がって避ける。ゴブリン2体はそのまま棍棒を地面に叩きつけ、俺をギロリと睨んでくる。

 どうやらお怒りのご様子だ、しかもさっきの戦闘とも呼べない戦闘で何を感じ取ったのか、控えていた3体も次から加わるようだ、1対5、なんというアウェー。

 しかしなんだろうか、どうも俺の知っているゴブリンとどこか違う、外見は一緒なのだが...さっきゴブリンが空振って地面に棍棒を振り下ろしていたが、その時のスピードも遅かったし、何より威力が段違いに弱かった、振り下ろされた地面も、どうもなっていないし。少なくとも俺の知るゴブリンは、さっきの数倍の速度で棍棒を振り回し、それが地面に当たろうものなら地面に小さいがクレーターができるほどの威力だった。

 もしかして弱いんじゃね?という思考が頭を過るが、そんな甘い考えはすぐにちぎって焼却炉に放り込んだ。なにがあるのが分からないのがこの世界だ、もしかしてあの剣を持ったゴブリンがもの凄く強いかもしれないのだ、油断は禁物だ、なにせ負ければ俺はゴブリンに鬼畜の所業なのだ。

 取り敢えず、短刀と身体にオーラを纏わせておく、周囲に人の気配はないからなにかしらのフラグが立つ心配もない、一気に決着を付けるぞ。

 5体のゴブリンが横に並んで一斉に俺に襲いかかる。


「「「「「ギィッ!?」」」」」


 5体のゴブリンたちが一様に驚愕の声を上げる、それもそうだろう、獲物に襲いかかった次の瞬間に、自分たちの身体が上下で分離しているのだから。俺がとった行動といえば、手に持った短刀でゴブリンたちの胴体をたたっ切っただけだ、距離が足りないだって?馬鹿野郎、それを可能にするのがオーラというものなんだよ。俺の短刀の刃渡りは約15cmと、日本の銃刀法に引っかからないほどの短さだが、その短刀の刃は光っており、その光りは、質量を持っているかのように短刀の柄から1mほどの長さにまで伸びている、分かると思うがこの光りはオーラそのものだ。


「っと...これ以上やると倒れかねないな」


 そう言うと、スッと短刀から伸びていた光りが消える。非常に便利な技術だが、今の俺では数十秒程度が限界だ、それ以上やると倒れる、しょうがないね。

 ともかくゴブリン5体という依頼は達成した、討伐を証明するための討伐証明部位である右耳を剥ぎ取っておく、袋の中に緑色の耳が5つ入っている、ほかの魔物は角なり牙なりなんだが、なんだか耳を剥ぎ取るのも新鮮だな。

 その後は少し歩いたところで毒消し草を見つけ、全ての依頼内容を達成した。あとはノクタスの街に帰るだけだ、しかし帰り際にまたゴブリンと出会うことになってしまった、こいつら嫌い。

総合評価1000pt達成!皆様ありがとうございます!

いやぁ、遂に四桁を拝むことができました、感激ですよまったくもう!

ちなみにもうすぐ学年末考査なんですよね...早く帰ってこれるから続きが書けますね!やった!勉強?なにそれ美味しいの?


そして次回更新は一週間以内...にできればいいな!


お気に入り登録、または評価の方をよろしくお願いします!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ