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第10話 劣化

お気に入り登録が100件超えてました!ありがとうございます!

そして感想であらすじについてご指摘頂きまして、僕も「あらすじ短くね?」と少し思っていたので、あらすじを改良しました!ちょっと長くなったよ!

 現在地はシルバニアの街の商店街、両手には衣服が入った紙袋、視線の先には食べ物を口一杯に頬ばる緑髪の少女、クレアである。

 服屋で当初の目的を果たした俺とクレアは、そのまま商店街の店や露店を見て回っている、主に食べ物屋だが。

 あっちで焼き鳥みたいな料理を食べたと思ったら、こっちでケバブみたいな料理を食べている、それを幾度となく繰り返し、今はリンゴみたいな果物をシャリシャリと齧っている、もう3個目なんだが...

 それに釣られて、俺もフライドチキンのような肉料理を買って食べてみたが、見た目通り美味しかった、完全にフライドチキンですねこれは。

 その後も、見た目が美味しそうなものを選んで、1つか2つほど買い食いしたが、しかしそこは俺の胃袋、もう食べられないよ。腹五分目といったところだ。孤児院に帰ってから夕食があるだろうし、これ以上食べると俺の小さすぎる胃袋に夕食が収まらなくなってしまうからこれ以上は無理だな。

 だがクレアはこれでもかというほど大量に食べている、こいつの胃にはブラックホールでも発生してんじゃねーのというくらい食べている。クレアが金をパーっと使うと聞いて、俺は仕事帰りのおっさんを思い浮かべてしまったがあながち間違いじゃなかったな。ビールとか持たせたら本当におっさんに見えてきそうだな。

 

 しかし商店街は人が多い、日本の都会ほどではないがそれでもかなりの数だ、クレアは自分好みの食べ物屋を見つけると、そっちの方向に一直線で歩いて行ってしまう。俺はゆっくりとそのあとを追っている。クレアが食べている様子はなにかと飽きないから別に苦痛は感じていない、だが小さいクレアの身体のどこにその大量の食べ物が収まっているのは気になる。

 しかしまぁ、商店街は別に食べ物屋ばかりというわけではない、比較的そちらのほうが多いが、装飾品や小物を売っている店だってある。

 とある小物を売っている店で、小さな布のポーチを見つけた、俺がこの世界に来た時につけていたポーチと、どことなく雰囲気が似ていた、そういえば”倉庫”に保管してあったはずだ、あとで探してみるか。

 その店に立ち止まった時間はごく僅かだった。しかし俺ははぐれた、クレアと。




 クレアを見失ってしまった。別にどうでもいいが、適当に歩いていればそのうち見つかるだろうし、商店街の広場で休んでいれば、クレアが来るかもしれない。このまま普通に帰ってもいいし、大した事じゃない。

 俺は少し裏道に入って、両手の荷物を”倉庫”に入れる。なぜ人目がつかないようにしたかは言わなくても大丈夫だろう。

 両手が軽くなった俺は、数回肩を回してから歩き出す。

 俺はひとりになったので、またいずれ寄ろうと思っていた武器屋を探す。すぐに見つかると思ったんだが、案外見つからなかった。食べ物屋や小物や装飾品を売っている店ばかりで、たまに服屋があるくらいだ。

 昔をこんなかんじの場所はあったが、食べ物よりも武器や防具を売っている店の方が多かったぞ。あっちの店で売っている盾はうちの剣ならたたっ斬れるとか、あの店の剣なんかじゃ俺の店の盾には傷一つつかん、とか。どこかで聞いたことがあるような話しを繰り広げていたものだが、どうやら年月が経って武器や防具の需要が減ったんだろうな。

 よく見れば、昔は筋骨隆々な冒険者の野郎どもや、怪しげなローブを被った魔法使いが闊歩していたが、いまは大体が優男で、女性の割合も高くなっている、随分和やかだ。

 しばらくボーッと歩いていると、2つの剣が交差したようなマークが描かれた看板が目に入った。あの看板からしてたぶん武器屋だろう。

 俺はそのまま武器屋(仮)の扉を押し開ける。扉にベルが付いていたのか、チリンチリーンと音が響いた。

 店のカウンターは無人だ、さきほどのベルは来客を知らせるためのものなのだろうが、店の奥から人が出てくる気配はない。

 別に出てこなくても商品は見れるため、俺は気にせずに、店内に置いてある武器を見て回ることにした。

 俺がなぜ武器屋を探していたかというと、それはズバリ、この時代の武器や防具の質がどれくらいのものかを知るためだ。

 魔法もかなり劣化していた、となれば武器の性能も劣化しているのでは、と思ったからだ。それに、俺の”倉庫”の中には、昔でも最上級といわれた素材で作られた武具が数多く眠っている、中には強力な魔剣や聖剣、神剣といった類のものも、さも当然のように置いてある、すべて遊び半分で作ったものだが。

 その魔剣やらなんやらは兎も角、普通の剣にしてもいろいろとあるかもしれないからな、念には念をということだ。

 そしてこの店の武器を見る限りは俺の予想は的中しているようだった。俺は棚から一つ、小さい短剣を取って感触を確かめるように軽く振り、刃の部分に指を滑らせてから溜め息をついた。


「なんじゃこりゃ...」


 はっきりいってナマクラもいいとこだ、短剣の重さはどうとも言えないが、切れ味が悪すぎる。ここだからなのか?

 短剣を棚に戻し、壁に掛けてある長剣も手に取ってみる。そのまま持とうとすると、重すぎて満足に持てなかったので、少しだけオーラを身体に纏わせておいた。まだ少し重いがこれくらいでいいだろう。

 こちらも軽く振ってから、刃の部分に指を滑らせる。


「これもか...」


 このあともいくつか試してみたが結果は同じだった。指はゆっくりと滑らせていたが、昔の剣ならその程度でもスッパリと切れている。慣れてないやつなら、刃に軽く触れるだけでも怪我するほど鋭い。

 しかし今の剣はそんなことはなかった、安全装置でもついてるのか?と思うほどだった。切れることには切れるだろうが、俺が知る硬い甲殻をもつ魔物には効かなさそうだ。

 そんなこんなで俺は武器屋から出た、結局誰も出てこなかったな。店の奥に2つほど人の気配はあったんだが。

 そしてまた武器屋を探す、相変わらずない、全然ない。そろそろ食べ物屋から匂う匂いが嫌になってきたんだが、クレアはまだ食べているんだろうか、食べてるんだろうなぁ。

 そうして数十分、さきほどと同じような看板の店を見つけた。やっと見つけたぜ。

 中に入ると、かなり年をとった爺さんが店のカウンターにいた。ボサボサの白い髪に長く伸びた白い顎髭、一瞬ドワーフかと思ったが、ドワーフにしては細すぎる、ただの人間のようだ。


「ほっほっほ、これはまた、若い客が来たもんじゃのぉ」


 俺に気付いたカウンターの爺さんは、細い目を更に細めて楽しそうに笑った。


「少し剣を見たいんですが、いいでしょうか」

「ほっほ、かまわんよ」


 爺さんの許可も一応貰ってから俺は先程の武器屋と同じようなことをして、質を確かめたが結果は同じだった。

 俺の行動を見て爺さんは何を思ったのか、俺が知りたかった情報を、一人言のように語ってくれた。


「昔に比べて今は平和になったからなぁ、儂がお主ぐらいの頃は、いまよりもまだ幾分かマシじゃった。それでも儂の祖父はダメだっと言っておったがな、儂の曾祖父の曾祖父の曾祖父ぐらいの時代にゃぁ、大岩をも容易く切り裂く業物もあったと言っておったよ」

 

 なるほど、昔に比べて平和になった、か。そういえばそうだな、商店街にも俺がしるような厳つい野郎どももいなかったし、ギルドがあるのはわかってるから冒険者がいなくなったわけではないだろうが、かなり少なくなったのだろう。

 俺は棚から良さげな短剣を一つ買うことにした。武器については分かったがそれならなおさら俺の手持ちのものを使うわけには行かなくなった、大岩をも容易く切り裂く業物?全部だよ、大岩どころか竜の鱗すら容易く切り裂くわ。

 どこで使ってもおかしくない、この時代での普通の切れ味を持った武器も持っておいたほうがいいだろう。と、いうわけで、なるべく動きの妨げにならずに、あまり目立たないようにということで短剣を買うことにした。

 爺さんはまた楽しそうに笑ってから短剣の代金を告げる。銀貨1枚だった。

 短剣を買った俺は爺さんに礼を言って店からでた。




 目的を達成した俺、クレアを探すわけでもなく、先程買った短剣を人目につかないように忍ばせてゆらゆらのろのろと商店街の道を歩いていた。

 そんな時に、数人の若い男女の声が聞こえてきた。


「いいじゃん、俺らと楽しいことしようよ、ね?」

「ほら、こっち行こうよ!」

「や、やめてください!急いでるんです!」


 声が聞こえてきた方を見ると、若い男2人が1人の少女の手を引っ張っていた。

 うわ、ナンパかよ...

 ナンパされている少女はかなり可愛かったが、男のほうはなんというか...お前よくその顔でナンパしようと思ったなっていう顔だった。日本ならいろいろと工夫してなんとかなるのかもしれないが、ここは異世界そんなものはない。

 少女は手を振りほどこうと頑張ってはいるがそこは男女の力の差、しかもその少女、俺と同じくらいの年齢だ、しかも制服が俺といっしょだった。

 

「チッ、いい加減ムカついてきたぜ」

「痛い目見たくなかったら大人しく言うこと聞きな」


 ナンパ風景を眺めていると男二人が刃物を取り出した。

 少女は「ひっ」と小さな悲鳴を上げて顔を青くする、目には涙が浮かんでいる。

 しかし周りの人間は誰一人として助けようとはしない、関わりたくないのだろうか、チラッとそちらの方を向いて、そのあと何も見なかったようにまた視線を戻して歩き出す。

 男2人は大人しくなった少女を見て下卑た笑みを浮かべた、これ以上はヤバそうだな、衛兵が来る気配もなさそうだし。

 

 しょうがない...助けるか。

皆様!僕ですよ!帰ってきましたよ!北海道から!

いやぁ、寒かったですね!僕の住んでいるところと気温の差が20度ほどありますよ!すげぇ!

それから、前書きにも書きましたがお気入り登録が100件突破しました、ありがとうございます!実は9話の時点で超えていたのですが、言うの忘れてました!はい!


さてさて、次回の更新ですが、安定の一週間以内です!不定期更新が定期更新に変わる日が来るのでしょうか!


ストックを作れる人は真面目に凄いと思います!お気入り登録または評価よろしくお願いします!! 

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