第8話 これが授業か
皆さん!こんにちは!久方ぶりですね!
ちょっと文字数いつもより多めです、ごっちゃ度はすこしマシになった気がします。
瞼は閉じているのに朝の淡い日差しが眩しい。俺は目を閉じたままゆっくりと起き上がる、そしてそのまま目を閉じたり開いたりする、眠い。そうして数分、ゆっくりと俺の意識が鮮明になってくる。寝起きは悪い訳ではないが良くもない、なかなかベッドから動こうという気が起きない。
さらに数分、俺の意識覚醒。俺が起きる時間はだいたい6時くらい、学校が始まるのがたしか10時くらいだったはずだ。まだ孤児院のみんなはほとんど寝ている、夢の中です。
俺はいつもこの時間に筋トレをしている、誰もいないし静かだから集中できる。寒いけど。
服装を寝巻きから動きやすい服に着替えて外にでる。
俺はいつも通り柔軟をしてから、走り込みをする。孤児院の周囲を数周走るだけなのだが、俺はすでにお疲れだ、汗だく。
そこから少し休憩を挟んで定番の筋トレメニューをこなす。量的にはかなり少ないが、普通にやると1日体力持たないし、下手したら倒れるから気をつけている。
そのあと魔力量を増やすアレをしてから、オーラノードを増やすための鍛錬をする。いまさらだがオーラノードを増やす方法を言っておこう、鍛錬の内容としては、精神統一してから自分の身体の中のオーラを練り上げていく、それだけだ。分からないと思うが、そもそもオーラを某忍者漫画のチャ○ラみたいなものだと思えば全て理解できると思う。俺は理解できた。
そして俺が知る中で、精神統一するために一番効果的なものが座禅だったために、孤児院の庭には芝生の上でよく分からないポースで目を瞑る不思議な子供という絵が出来上がっている。
次は、オーラを纏って俺の身体能力を上げてから木刀で素振りをする、ちなみにこの木刀は俺お手製だ。
オーラを纏った時の俺は大体C前後くらいの筋力にはなると思う、あくまで昔基準だが。【ステータス】も昔と今では仕様が変わっているんだろうな。気になって【ステータス】を使ってみたが俺の筋力と体力は未だにF-だったしな。期待させやがって...チッ。
素振りを終えると、俺は纏っていたオーラを霧散させる、オーラを纏っていると身体が羽のように軽くなるため、元の身体能力に戻ったときに、身体が鉛のように重くかんじてしまう。これはしょうがないな。
トレーニングを終えると、個人浴場に行き汗を落とす。あぁ、自由気ままにお湯使えるっていいよね。
俺はそのまま制服に着替える。部屋に戻ってボーっとしているとノクタスの街の方角から鐘の音が聞こえてきた。ノクタスの街の中央にそびえ立つ時計塔は朝の7時、9時、正午、午後3時、5時、9時に鐘が鳴る。よっていまは朝の7時。
いまから孤児院のみんなは目を覚まし始める、朝食は大体8時頃だろう。
そんなとき、ふと俺は違和感を感じた。いや違和感、というよりは空いていた場所が埋まった、といった方がいいのか。
ともかく、俺が勇者時代に異空間生成魔法作った異空間の一つで、勝手に集まった金とか遊びで作ったさまざまな武具を入れている”倉庫”の存在が確認できた。
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それから少し時間が経って、現在地は学校、そして一時間目。記念すべき第一回目の授業の教科は言語。言語を担当する男性教師の名前は忘れた、メンゴ☆
授業内容はとにかく簡単だった、舐めてるだろコレ。初等部では何を習ってきたといいたいが、俺と同じように中等部からの生徒もいることを思い出す、復習かなにかかも知れないが、しかしそれでも簡単だ。
そんな授業を他所に俺は朝気付いたことで頭が一杯だ。”倉庫”、過去に俺の異空間生成魔法で作った異空間の1つなんだが、この異空間生成魔法、俺が死ぬと同時に異空間が閉じて、中に入れているものも同時に全て消滅するというデメリットが存在する、ハズなんだが...
なぜか今になって”倉庫”を確認できた。中身も無事だった。ということは俺は死んでないということになるな、うん、そんなわけないね、死んだね。
だとすれば...いや、別にいいや、”倉庫”が無事ならそれでいい。中には思い入れのあるものもたくさん入っているしな。
俺は取り敢えず考えをまとめて、授業に集中することにする。日本みたいに教科書とかは無いが、ノートとか筆記用具の類は存在するため、授業内容をそれに書き写すくらいはする。しないやつもいるが。
俺はもちろんノートなんてとらない、そんなものが必要なほど高度な授業はやっていない。
そして襲う眠気、眠い、半端ない睡魔が俺を襲う。クラスを見渡すと既に数人が夢の中だ、俺の隣りに座るクレアも夢のなかだ。あ、寝顔かわいい...
俺の第一回目の授業はクレアの寝顔を見るだけで終了した。
学校にも、ノクタスや各街と同じように時計塔があり、鐘がなる。学校では授業の始まりと終わりと、昼休憩の前後に鐘がなる、予鈴はない、気を付けないといけない。
授業の終わりを告げる鐘が鳴ると同時にクラスの寝ている連中が起き始める。
「あれ...おわったの?」
クレアはまだ若干寝ぼけているようだ。嗚呼、なんかイケナイことを考えてしまうなこの顔は。
クラスの連中も、背伸びをしたりして、だんだんと騒がしくなってきた。
えーと...次はなんだっけな、確か魔法学か、魔法とついているだけで興味をそそるな。うん。
そして鐘がなり授業開始。担当の先生はジーナ先生だった。
魔法学の授業で学ぶことは魔法についての知識、主に呪文と魔法名のルーンの理解、それだけです。魔力操作は魔法武具に頼っているため、学ぶことといえばルーンを理解することしかない。とはいえ昔も今も魔法の量は莫大だ、呪文と魔法名を覚えるだけでも一苦労だろう、俺には全く関係ないが。
呪文と魔法名を覚え、その後、各ルーンの説明、魔法名の説明はかなり曖昧だったが、こればっかりは実際に魔法を見ないとよく分からないからな、しょうがないだろう。さきほどの言語の授業と違い、クラスメイトは誰一人として寝ておらず、誰もが必死にノートをとっている、青春だなぁ...
ちなみに俺が昨日読んだ魔導書は、主に魔法に関する歴史や考察を書いたものであり、呪文等が書かれたいかにも魔導書っぽい魔導書はほとんど読んでいない。理由は簡単だ、授業がつまらなくなるから。
俺なら、あれだけ大量でも数日あれば下級魔法の魔導書くらいならすべて読破することができるとは思うが、その時点で俺は少なくともこの1年間、魔法学で学ぶことは一切なくなる。別に魔法を使いたければ古代魔法を使えばいいだけだし、今の魔法も使いたい気持ちもあるけど。
今回の魔法学の授業で学んだ魔法は、下級魔法の【アロー】系。火属性の【ファイヤーアロー】、水属性の【ウォーターアロー】、風属性の【ウィンドアロー】、土属性の【サンドアロー】、光属性の【ライトアロー】の5種類。
なぜ5種類もあるのかという疑問があると思うが、例の測定の時に使われた現在の【ステータス】に表示される適正というものは、個人が使える属性を表しているらしく、その段階に応じて、魔法の威力と使用可能な魔法のランクが限られているらしい。基本的には1人につき1つか2つの属性でC前後ということらしい。
Cランクで使える魔法は下級と少しの中級だ。上級を使うにはBランクはいるらしい。よく分からないからあとで調べておくか、無知は罪っていうしな。
ともかく適正の値で、使える魔法の種類と強さが変わってくるのは驚きだ。1000年前の魔法使いは基本的な5属性は中級以上を軽く扱えないと一人前とは認めてもらえないぞ?使える属性が1つとか前衛の戦士以下なんだがな。
そして授業終了の鐘が鳴った、このあと1時間と少しほどの昼休みが入って、そのあとに本日最後の授業である魔法実習が待っている、魔法実習はその名の通り魔法を実際に使う授業だ、場所は昨日の実力測定で使った訓練場、現地集合だ。
訓練場は全部で20程、多いとは思うが、この学校の生徒の多さに比べれば少ないほうだと思う、中等部1年の魔法科だけで400人くらいいるわけだし。
取り敢えず食堂行って昼飯食べようか、早く行かないと人で溢れかえりそうだしな。クレアもついてきたので2人で食堂に向かう、食堂はまだ空いていた、これから人がゴミのようだになるんだろうな。
食堂にはいろいろとメニューがあったが俺は毎回変わる日替わりを頼むことにした、食堂のおばさんは大阪のおばちゃんみたいに賑やかな女性だった、母性溢れてるなぁ。
本日の日替わりは、豚の生姜焼き定食のような感じだった、主食はパンなんだが。
惜しいなぁ、これで白米があれば完璧だったんだが...たしか皇国あたりに米に似た食べ物があった記憶があるな、今の時代もあるかどうか分からないが、また皇国に行ってみたいな。
クレアと他愛のない話をしながらも食事を楽しんでいると前から声をかけられた、そこにいたのは同じクラスのイケメンくんだった。名前?忘れたに決まっているだろう。
「ここ、いいかな?」
イケメンくんは俺とクレアにニッと微笑みながらそういった、うっわすげぇ爽やか。これ普通の女子なら顔真っ赤にしちゃうんじゃないの?
「あぁ、別に構わないよ」
俺は普通に返す、別に断る理由もないしな。その前にこのイケメンくんの名前が知りたい、本人にイケメン君とかいうわけにも行かないし。
「あ、俺のことはレイザックでいいよ」
そんなことを考えているとイケメン君から名前を教えてくれた、レイザックか、今度は忘れないように気を付けようか。そういえば一応クレア以外のクラスメイトと話すのはレイザックが初めてになるのか。
「じゃあ私もクレアでいいよー。よろしくねーレイザックくん」
「俺はアリスでいい。よろしくな、レイザック」
クレアが笑顔でレイザックに返す、美少女だなぁ。
俺はレイザックと握手を交わした、レイザックは俺と握手を交わすと、どこか不思議そうな顔をする。なんだお前、失礼だぞ。
「どうかしたか?」
「いや、なんでもないよ。よろしく、アリス」
レイザックはまたそのイケメン面で微笑みながら席に座る、周りの女子たちが黄色い声を上げた、まぁイケメンだしな。代わりに男子たちは微妙な表情をしているが。
「人気者だな、レイザック」
「そうかな?俺はアリスとクレアさんのほうが目立ってたと思うけど」
「そうなの?」
「アリスは美少年だし、クレアさんは美少女だからね」
おいちょっと待て。俺の見た目の印象美少年なの?あれクレアの冗談じゃなかったのか。まぁ自分で言うのもなんだけど俺の容姿は可愛いほうだとおもうし、美少女は男装すれば美少年になるのは当然といえば当然なのか。
「そうか、ならここにレイザックみたいなイケメンが入るとさらに目立ちそうだな」
「だろうね」
「否定しないのか」
「俺の顔を俺が否定すればみんな怒るからね」
「あぁ...」
イケメンが「俺イケメンじゃないよ」っていうと凄いムカつくからな、なるほど、レイザックはイケメンとしての心得も会得しているわけか、心身ともにイケメンとか。
その後は普通に話をしたくらいだ。ちなみに聞いた話では、レイザックの家は代々有能な魔法使いを出しているらしく、オクタヴィア家は魔法の名門として割と有名なんだそうだ、俺は知らないが。
そんなこんなで昼休み終了、現在地は訓練場、魔法実習の授業が始まった。ここに来るのは二回目だが、相変わらず広いな、日本の学校の校庭くらいありそうだ。
教師は変わらずジーナ先生と、もうひとり、これまた女性の先生がいた。名前はニナ・ファクトゥディス、名前から分かると思うが、ジーナ先生の妹さんなんだそうだ。美人です、やったね。
授業の流れとしては、まずジーナ先生とニナ先生が【アロー】系の魔法の実演をする、先生は2人いるのは適正を補うためのようだな。その後、タッグを組んで各自訓練、という感じだ。ほとんどほったらかしじゃないか。
魔法はどこに撃っても良いというわけではないのでもちろん的がいる。授業で使う的はあの測定の時に使ったときと同じ的だ。しかし数十本も出せるということはそれなりに安いものなのか?本気でやればすぐに的が壊れそうなので、手を抜くか。
俺はクラスメイト達が杖を持っているのを見て、そういえば、今は杖とか指輪みたいなものを使って魔法を使うのが普通だと言うことを思い出す。あぶないあぶない。
俺はポケットに手を入れてから、空間魔法の【アクセス】を使い”倉庫”から青い宝石がついた小さな指輪を取り出す、この宝石の名前はミスリルという、宝石というよりは金属といったほうがいいか。
俺はその指輪を右手の中指にはめる、これで一応大丈夫だろう。
俺がタッグを組むのはもちろんクレアだ、というかクレア以外とは組める気がしないな。クレアがいて良かったと改めて実感した。
俺とクレアは設置された的の一つに向かう、他の奴らはもう魔法を使い始めている。だが実際に使えているのはほんの少数だ、なんでだよ。なんで使えないんだよ、さっき先生姉妹が使ってただろ。
それはさておき、クレアの適正は、俺には及ばずとも全属性に適正があり、特に風属性はB+と、いまの時代じゃかなり優秀なほうだろう、1つか2つ適正があるのが普通だしな。俺は全部SSSだけど。
クレアは右手を突き出して的に狙いを定める。クレアが使うのは一番適正の高い風属性の【ウィンドアロー】、クレアも右手に指輪をしている、あれが魔法武具なのだろう。
「我が身に宿りし風の精霊よ、矢の如し風を放て【ウィンドアロー】」
クレアが呪文を詠唱し終えると同時に、右手から矢のように収束された風が放たれる。的には問題なく当たったが、壊れるほどではなかった、ギシギシいってるけど大丈夫だろう。
次は俺だ。俺が使うのは水属性の【ウォーターアロー】だ、俺は自在に魔力を制御して、魔法の威力を上げることができるから、的を壊さないように威力を抑えないといけない。
実は魔法武具には欠点がいくつかあり、その一つとして、魔法武具に装飾される魔力結晶によって使える最大魔力量が変わるというものがあるらしい、そして今の時代の魔法使いとしての技量は、自身の魔力量、魔法についての知識、そして魔法武具の質の3つによって分かるという。
魔法武具によって自動的に魔力を制御するとはいうものの、魔法武具によって魔力の増幅なんかも行われており、さらに誰でも魔力をある程度効率よく扱えるため魔法が強力になるらしい、だがしかし魔法武具という道具に頼って力を得るというのはどことなく違う気がした。
ともあれ俺だ、的を壊さないようになるべく威力を抑えて【ウォーターアロー】を放つようにしないと、この授業で的を壊したやつがいまだにいないことから見て、壊れないのが普通なんだろう。
「我が身に宿りし水の精霊よ、矢の如し水を放て【ウォーターアロー】」
呪文が似ているのはしょうがない。
俺は発動するギリギリのラインの魔力をルーンに込める、すると俺の手からどこからともなく出てきた水は、勢いよく的に向けて発射され、乾いた音を鳴らした。クレアのようにギシギシもいっていないし、上出来だな。
ちなみに水魔法で作られた水は基本的に数分で消滅する、蒸発とかではなく消滅する。だから、水魔法使いすぎると陸地無くなんじゃね問題は解決する。
「始めてで成功するなんて流石だね」
お?
「そうか?周りの奴らも何人か使ってるじゃないか」
「それは私を含め全員初等部から上がってきた子だよ、初等部の最後に少しだけ魔法を使う授業があってね、そこで習うんだけど...アリスは学校に行ったことがなかったんでしょ?普通は、一回目で成功なんてしないよ」
そうなの?まぁいいんじゃないの、そこは才能とかまぐれとかで。これぐらいで突っかかってくるような馬鹿はいないだろうし別にいいか。
そんなことを考えていると、少し離れたところから大きな爆発音が聞こえてきて、木が折れるような音が聞こえた。木の音は兎も角、爆発音は火属性の【ファイヤーアロー】が当たったときにどうしてもなってしまうため、周囲でも少しはしていたが、聞こえてきた音は明らかにそれらよりも大きかった。
俺が的の方を向くと奴がいた、貴族君(笑)である。というかまた壊したのか、昨日も壊してなかったか?
貴族君(笑)の手には豪華そうな杖が握られており、先のほうには大きめの、少し濁った赤色をした魔力結晶がついていた。
どれだけ強くても、その杖がなくなると凡人になってしまうんだな、可哀想に...
その後ジーナ先生が的を修復した、あれも魔法かと思ったのだが、あの的は、手を当てて専用の呪文をとなえることによって自己修復するらしい。便利だな。
そしてその後は貴族君(笑)がまた的を壊したりしていたが、何事もなく授業終了。
今日は訓練場で軽くHRをして解散となった。「教室に持ち物忘れてきたー!」とか叫んでる男子がいたが、みんな持ってきているのか、そういえば棚みたいなロッカーみたいなやつが設置してあったな、そういうことか。
「そうだアリス、今日はこのあと暇?」
「ん?あぁ、今日は別になにも用はないな」
図書館にいってわざわざこれから授業で学ぶことを先に覚えようとは思わないし、もう歴史にはうんざりだしな。暇だな、”倉庫”の中身を一回きちんと確認したいという気持ちもあるがこれもいつでもいいしな。うん、暇だな。
「じゃあさ、ちょっと買い物に付き合ってくれない?」
おっとこれはデートか何かですかー?ドキがムネムネですねー。
数年前に書いた小説もどきを昨日読み返したんですがね、酷かったです。もう黒歴史とはこういうものを言うんだなって感じですね。一番古いもので中学生の頃に書いたものがありました。
しかしながらその中で1つだけ面白そうな設定の話を見つけましてですね、それをいつの日か短編にできればな、と思っています。
さて、次回はいつになるのやら。14日あたりから別に行きたくもない修学旅行があるので、その期間は予約投稿でもしたいんですがね、ストックがないのですよ。がんばらなきゃなー。
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