表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/90

第6話 哀れな勇者

皆さん!2日です!初夢は見ましたか?僕は夢までTSモノでしたよ、やったね!

さて、今回はいつもよりまして文がごっちゃになってまして...文脈がおかしい点がいくつかございますが、ご了承下さい...

 魔力が175は置いとくとして、筋力と体力がおかしくないか?数日前までF-だったんだぞ?


「アリス?アリス~おーい」


 いや、それもまぁ許容範囲だ。


「あれぇ?大丈夫?」


 適正SSSってなんだ!しかも全部SSSじゃねぇか!...いや、これは喜ぶべきなのか?いやしかし...うーん分からん。


「ア~リ~ス~」

「んあぁ、あ?クレアか...どうした」

「どうしたって...アリスこそどうしたの?さっきまでずっと呆けてたよ?」


 なるほど、俺はクレアに肩を揺さぶられるまでトリップしていたらしいな。

 クレアは頭の上に?マークを3つほど浮かべて俺の顔を覗き込んでいる、かわいい。


「そうだ、アリスの結果教えてよ~私のも言うからさ」


 言っていいのか?適正SSSってやばいんじゃないのか?いや、ここはクレアの意見を聞いてみるか、どっちみち話せるのはこいつぐらいだしな。

 万が一に備えてクラスのやつらから少し離れたところで話すことにした。


「魔力が175、筋力がF+、体力がF+、適性が...」

「へぇ~魔力175かぁ、結構あるね。筋力と体力は...ま、まぁまぁかな~...で、適正は?」


 クレアの言い方からして筋力と体力平均以下っぽいな、まぁいいだろう。


「SSS」

「えっ」

「SSSだ。あ、ちなみに全部な」

「え、えぇ!?」


 やっぱり適正SSSは尋常じゃないらしい。クレアは驚いた声を上げる、向こうの集団から何人かこちらをチラッと見るやつがいたがまぁ大丈夫だろう。


「やっぱりSSSっていうのは凄いのか?」

「え?本当なの?冗談じゃなくて?」


 なんだ、疑ってたのか。


「まぁな。それで、どうなんだ...?」

「たしか、ひと握りの大天才のさらにひと握りが持ってるかどうかってところだったはずだよ」

「そ、そうか...」


 なんかすげぇな。ひと握りの大天才のさらにひと握りか...なんかもう怖いな。そういえばクレアも結果を言うとか言ってたな。


「で、クレアはどうなんだ?」

「え?なんのこと?」

「おい待て逃げるな」


 ったくどうしたんだクレアは。兎も角俺は言ったんだ、クレアも言わないと不公平ってものなんじゃなかろうか。俺がクレアに冷ややかな目を向けていると、クレアも観念したらしい。


「分かったよ...えっと、筋力がEで、体力がD-、適正は火、水、土、光がC+で風がB+だよ」


 なんかこれクレアも凄いんじゃないのか?いや知らんけど。俺のオールSSSに比べれば見劣るけど凄いんじゃないのか?知らんけども。

 

「ん?魔力はどうした?」

「さ...」

「さ?」

「38265...」


 ...どうなんだ?これ凄いのか?確かにクレアの魔力を探った感じではちょっと大きかったが...いやでもあれ以前の俺基準だしな...俺に比べればマシだとは思ったが。いやしかし俺の魔力が175なんだ、軽く数百倍か、そう考えれば末恐ろしいな。


「あんまり驚かないね、アリスは」

「ん?ま、まぁな...」


 本当はよくわかってないだけなんだが。

 それにしても、俺はクレアよりも力無いのか、体力も...うっわ超凹むわぁ、元男子が華奢な女の子より身体能力低いってどうなのよ...今の俺も華奢な女の子だけどさぁ、それはそれで傷深くなるし...

 取り敢えずみんなのところに戻るか、いつまでもこんなとこにいたら逆に目立つしな。


 俺が戻ってきたときに、丁度あのなんとかっていう侯爵家の長男くんが測定を始めるところだった。始めの魔法を使う測定で、長男くんはまずまずの大きさの火球を生み出していた。


「へぇ、”ファイアーボール”か」

「”ファイヤーボール”?」

「うん、中級魔法の一つでね。分かりやすく言えば”ファイヤー”をただ大きくして球状にした魔法だよ。ってこれくらい知ってるよね」


 すまん、知らなかったわ。説明ありがとう、クレア。

 まぁでもあれは...名前安直すぎて誰でも分かるがな。中級魔法、と言うのは中位魔法のことで良いだろう。まったく、ところどころ変わってて困るな。

 貴族くんの魔法を見て、教官とクラスメイトたちはざわついている。なるほど、中級魔法とは言うが、難しい魔法なのだろう。

 そして貴族くんの放った魔法はそのまま例の的を破壊した。そして再びざわつく教官とクラスメイト。貴族くんの子分たちは「さすがです!」とか言って褒めちぎっている。そうか、あの程度(・・・・)で褒めちぎられるのか、いや今回は貴族くんだから、ということもあったのかもしれないが。

 そしてそのまま【ステータス】での測定に入る。すぐに出てきた貴族くんは凄い誇らしげな顔をしている。結果が良かったんだろうな、そのまま子分に言い聞かせるフリをして、みんなにも聞こえるように多いな声で結果を読み始めた。


「魔力が150、筋力がC-、体力がC+、適正は火がB、あとは水と土がCだ!」

「さすがダント様です!」

「えぇ!さすがでございます!」


 え?さすがなの?クレアの方を見ると、なんか可哀想なものをみるような目で見つめていた。


「どうなんだ?あれ、すごいのか?」

「ま、まぁ。平均よりはどれも上だけど...」


 まぁまぁ秀才ってところか、まぁ身体能力は俺よりも高いけど。はっきり言って魔力は、クレアは兎も角俺よりも下だし、適正は、まぁ良く分からんけどすごい微妙っぽいな。


 それにしても俺はいまのこの世界のことを知らなさ過ぎるな。さて、どうしたものか...

 そういえば、この学校デカイし多分図書室的なとこあるんじゃないか?そういえば異世界転生モノの小説だとだいたい図書館で本読んで情報収集してたな、そうだったそうだった。チート時代の俺はあの本があったから別に本なんて読まなくてよかったのになぁ。

 俺が過去に異空間生成魔法で作った異空間にあの本、世界のすゝめも入れてあったんだが、あの異空間は俺が死ぬと消えてしまう。俺も何度か異空間に【アクセス】しようとしたのだが、やはり異空間はなくなっていた。つまりは俺と契約していた、数多の固有種たちも一緒に消えてしまったことになる。うっ、思い出したらまた胸が苦しくなってきた...考えないようにしよ...

 その後は何事もなく進み、教室でのHRの後、今日は解散となった。

 クラスの男子たちは、学校探索だとか言って見学して回るらしく、女子も同じような感じだった。ふと思ったんだがこれ帰りはどうするんだ?とか思ってたが、クレアによると、あの霊獣車に乗って帰ってくるらしい。まぁ当然だな。


「アリスはこれからどうするの?」

「俺か?俺はこのまま図書館に行くつもりだ」


 あの測定が終わったあと、俺はジーナ先生に図書館のようなものがありますか?と質問したところ、やっぱり図書館があるらしく、その場所も教えてもらった、ここから歩いて数十分です、ふざけろ!


「待ってて良い?一緒に帰ろうよ」


 なんか凄くココロオドル言葉ですね、エンジョーイ。


「あぁ良いぞ、だが俺結構いるつもりだぞ?」

「うーんじゃあ私はこれからみんなと同じように学校探索でもしてこようかな~」

「そうか、じゃあみんなが帰るような時間になったら呼びに来てくれ、俺はずっと図書館にいるから」

「分かった、じゃあまた後でね」


 そういってクレアは教室から出て行った、なんか急にぼっちになったみたいで辛かった。は、早く図書館行かないとなー。




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




 場所は変わってここはシルバニア学院の図書館、そして毎度のことだがデカイ。本の冊数はゆうに万を超えるらしいこの図書館はこのティリス王国でも随一の大きさを誇るらしいが、なにもそこまでして学校に大きな図書館を建てる必要はないと思うんだ。

 まぁこれだけ大きいんだ、俺の探す本の一つや二つ簡単に見つかるだろう。苦労しそうだが。


「え~と...歴史歴史...お、あった」


 俺が探しているのは歴史に関しての本だ。俺は俺の知っているあの異世界に転生した、これはほぼ確定事項だろう、俺の魔法の知識と技術が通用することも今日分かったし。そして少しだが、以前の俺が使えた能力も使えた、その一つが俺が一番初めに開眼した”魔力が見える魔眼”だ。まぁ力が落ちていて、あまり役には立たないが。

 兎も角、俺は死んで転生したこの世界は、俺のしっている頃よりも幾分か年数が経っていると予測できる、まずはそれが何年くらいなのか知りたい。

 俺は歴史の本が置かれた列の本を片っ端から読みあさって行く、全部読めば時間がかかるから適当にパラパラっとだが。

 だがなかなか見つからない、やれ大戦だの大事件だの、この偉人はどうすごいだの俺の知らない名前ばかりでてくる、まだ1時間も経っていないがかなりキツイ。くそぉ、小説の登場人物はよくこんなの耐えられたな、まぁこれで歴史の勉強は完璧だが、嬉しくない。

 そして俺は一冊の本を手に取った、中身を見ると御伽噺(おとぎばなし)のようだった。なんでこんなところに...これは別のところに置いてある筈だろう。そう思って俺がふと本の題名に目をやるとこれが俺の探している内容の本かもしれないという予感がした。

 本の題名は「哀れな勇者」。勇者、俺のチート時代の肩書きだ。哀れ...俺の最後も哀れだった。俺は兎も角この本を読んで見ることにした、幸いあまり分厚くは無かったから1時間くらいで読み終わるだろう。




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




「く、くはは...ははははは...」

 

 図書館ではお静かに、それはどこの世界でも一緒だ、だからは俺は出来るだけ声を抑えて笑う。笑いを止めるのは不可能だろう、だってあまりに滑稽すぎるのだから、この「哀れな勇者」の主人公である哀れな勇者、つまり()が。

 長いのでだいぶ端折るが、物語の内容はこうだ。今から約1000年前、森の奥深くで何者にも劣らぬ力を持った人間の男が目覚めた。まだ技術と知恵を持たないその彼はある時、エルフのお姫様を助けた、そして彼は人間でありながらもエルフの集落で同胞と認められ、エルフたちから技術と知恵を授かった。そしてそれから彼は世界を旅し、世界中の困った人々を助け、さらには獰猛な怪物たちをも手懐けて行った。そのうちに彼はこう呼ばれた、”勇者”と。勇者となった彼は当時世界を滅ぼそうとしていた悪魔と戦った、結果は常に勇者の圧勝。しかし悪魔の王である魔王は賢かった、魔王は勇者と当時の世界で最強と言われていた魔族の王と相討ちさせる計画を思いついた。魔王は人間に化け、勇者に近づいた。勇者はそれに気付かずに魔王に洗脳されてしまう。そしてある日、魔王の罠にハメられて、勇者と魔族の王は対峙する、そして戦ったが勇者は負けてしまった。敗北と同時に洗脳が解けた勇者は嘆いたという、自らの愚かさと無力に、そしてそれを聞いた魔族の王は、勇者の無念を晴らすように魔王と戦い、勝利した。

 これは日本にもよくあるような童話だろう、この御伽噺は多分、自らの力を過信するな、とかそんな感じのなにかしらの戒めが込められているのだろう。

 しかしながらこの物語の主人公は十中八九俺で間違いないだろう、歴史のコーナーから物語や御伽噺のコーナーに行くと同じような内容の本がいくつもあった。実話を元にした童話か。だとすれば俺が魔王だと思ってたやつは魔族の王だということになるのか...いやなんか...いま考えればおかしな点がいくつもあるな、たとえば教皇がなぜ魔王の姿を知っていたのか、誰も知らないと言われていた魔王の姿をなぜ教皇だけ(・・)が知っていたのか、答えは簡単だ、教皇が魔王だからだ。

 魔族の王ならば容姿は知れ渡っているだろうしな、他にも矛盾点はあるがそれに気付かなかったのは俺が洗脳されていたからなのだろうな...

 ははは...笑いが止まらないぜ...

 気付けば俺の頬には涙が流れていた。情けねぇな、泣くなんて、いやだがこれは女になって涙腺がゆるくなっているだけだ。俺は自分の目を乱雑にこするとまた物思いにふける。

 兎に角当初の目的は果たせた、一応この物語から推測するに俺は約1000年後の世界にいることが分かった。まぁ1000年も経てばいろいろ変わるだろうし、そう思えば、俺の知識とズレがあるのも頷ける。

 ふぅ、取り敢えず俺の当初の目的は果たせたな。まだ時間はあるのか?まぁクレアが来るだろうし、いいか。そうだ、この時代の魔法を知っておきたいな、魔道書とか置いてないかな。


 俺は自分の気持ちを紛らわせるようにその場を後にした。

お正月と言えば年賀状!皆様は何枚来ましたか?僕はなんと4枚です!しかもそのうち2枚は専門学校からです!どうです、哀れでしょう?ぐすん。


さてさて次回はいつになりますやら、もうすぐ休みが終わるので我が宿敵を早急に滅する必要があるわけでして...ちょっと毎日更新はダメになるのかな...でも一週間に1話は更新する予定ですので、大丈夫です!


それでは!お気入り登録または評価よろしくお願いします!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ