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自由商人として再出発

 『大宇宙でも職業選択の自由〜宇宙軍を除隊して自由商人に転職した男〜』の後日談です。

 短編ではありませんが、長く連載するものでもなく、書き残しを回収しにきた感じの作品です。

 他の連載作品と並行作業で、他の2作品が煮詰まっている最中なので、本作の投稿もノンビリの予定です。

 

 ベルローザとの最後の戦いの後に空間跳躍システムの暴走によりソル民主共和国にまで飛ばされたシンノスケとマークスはアクネリア銀河連邦に帰る術を失ってしまった。


 ソル民主共和国と国交もない、遥か宇宙の彼方のアクネリアに帰るためには、資金を稼がなければならない。

 シンノスケはソル民主共和国の自由商船組合に自由商人として新規登録して活動を再開することにした。


 幸いにして自由商人としての経歴とシンノスケの個人資産のデータはシンノスケの携帯端末に残されていたため、ソル民主共和国の自由商船組合が時間と手間を要してシンノスケの身分照会をしてくれたので、それなりにまとまった資金と、蓄積してきた自由商人としての実績と立場を引き継いで活動を再開することができた。



 そんなシンノスケが事業再開以前に真っ先に必要だったのはマークスの新しいボディを手に入れて相棒を復活させることだ。

 予算の兼ね合いもあり、軍用かそれに準ずるボディでマークスのメモリーと互換性のあるものは入手できなかったのだが、幸いにしてシンノスケの最低要求を満たしたボディが2体見つかり、諸般の事情により片方の候補を除外して、残りの1体を新しいマークスのボディとして手に入れた。

 元は子供の教育支援ドール用のボディであり、子供サイズの小型のもので、元は軍用のドールだったマークスに比べて著しくパワーが低下したが、それでもマークスのメモリーを実装したことにより艦船支援から戦闘まで対応可能なチビマークスが復活したのである。


 次に新たなる船を入手することになったのだが、シンノスケが自由にできるのはあくまでもシンノスケの個人資産のみであり、カシムラ商会の資産には手出しできないため、流石に今のシンノスケでは新造艦には手が届かず、中古の船でもキャッシュ一括での支払いというわけにはいかない。


「まったく『護衛艦業務に耐えられる程度がよく安い船を見つけて欲しい』だなんて無茶もいいところですよ。しかも支払いはローン・・・。カシムラさんの実績データが無ければ絶対に審査を通りませんでしたよ」


 自由商船組合のカウンターでそうボヤくのは受付職員のケヴィン・ライヤー。

 聞けばソル民主共和国の経済産業庁の役人であり、自由商船組合に出向しているエリート官僚だそうだ。

 尤も、出向職員でありながら通例である管理部門での勤務でなく、受付業務を自ら希望したという変わり者でもあり、突然宇宙の果てから流れ着いたシンノスケ達の身分照会やら自由商船組合への登録を担当してくれて以降、半ばシンノスケ達の担当のような立場になっていた。


 そんなケヴィンがシンノスケの無茶な要求に応じて見つけてきたのが、沿岸警備隊を退役し、解体処分となる寸前だった中古のコルベットだ。


「武装は、艦首に速射砲が2門、艦尾に1門。5連装ミサイルランチャーが1機に、対空機銃が2機か。まあ、少しばかり心許ないが、十分といえば十分か・・・」

「エンジンが2基のみで、やや出力が足りないように見えますが、小型軽量の艦ですから、スピードと機動性はそれなりですね。連続の空間跳躍も可能なので護衛艦としての運用も問題ないと判断します」

「ペイロードは10トンか。これでは運送業務には使えないが、まあこれは仕方ないな」


 ケヴィンが提示したデータを見ながらあれこれと検討するシンノスケとマークス。


「この船が気に入らないなら、値段が一気に跳ね上がります。そうなるとローンの返済期間が延びてしまいますが、比例してお2人がアクネリアに帰る日も延びてしまいますよ」


 なにかと優秀なケヴィンだが、未だに船が無く、自由商人としての業務を再開できないシンノスケにこれ以上手間を掛けたくないのだろう。

 他の船を探すつもりはなさそうで『さっさと決めろ』と言わんばかりだ。

 

 ケヴィンに急かされ、半ば強制されたような気もするが、シンノスケは決断した。


「この船に決めます!」


 兎に角、シンノスケ(とマークス)は船乗りなのだ。

 船がなければ只の人。

 船がなければ何も始まらないのである。



 そんな経緯でシンノスケが入手したのは型遅れの中古で、スクラップ寸前のコルベット。

 艦籍も艦名も抹消されたその船にシンノスケが新たに付けた艦名は『シラヌイ』。


 シンノスケとマークスがシラヌイと長く付き合うことになるのか、短くなるのか、それともあっさりと宇宙の塵と散る運命なのか、先のことは分からない。


 なにはともあれ、シンノスケとマークスの新たな船出だ。

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