チュートリアル終了(1)
身体中を電撃がくまなく駆け巡る。あ、死んだ―――
そう思ったのも束の間。暗雲が立ち込めていたどよめく空が、ぱあっと晴れ渡った。
天使の迎えを待つべく、平原のど真ん中。一人、大の字。
二重まぶたをしたたかに閉じ、走馬灯の類はまだかな? とか思っている俺は、目の前の環境が一変していることに気づいていない。
だが、次の瞬間―――瞼の裏に『チュートリアル終了』の文字が現れた。同時に『竜の眠る場所―――チュートリアル限定ドロップアイテム・竜王の剣(握り部)』が俺の手元にドロップ。
「チュートリアル……? しかも何だこのふわふわとした動作で空から落下してきた臭い剣みたいなのは。臭いから捨てよう」
俺は『チュートリアル限定ドロップアイテム・竜王の剣(握り部)』をその辺に廃棄した。
―――これは、死なずに済んだということでいいのか?
「チュートリアル……とか表示されてたな」
晴天の平原のど真ん中。俺は不可解な現象に巻き込まれてしまったことについて、よく考察してみることにした。
まず、俺は自宅でスクワットをしていた。その回数が35回に到達した時―――まるでゲームのバグのように、物理のなんちゃらを無視した動きで宇宙空間へ。
そして、気づけばこの平原へ。
ああ情報が少なすぎるなぁ。ソースが少ないと議論も反芻もできやしないなぁ。
いや待てよ。
ゲームのバグ?
昔プレイしたゲームに……こんなバグがあった。
壁抜けバグ。
そのゲームでは、本来ならボス部屋に入るためには『鍵』が必要だ。しかし、ボス部屋の前でしゃがみ動作を35回繰り返し、かつ操作キャラクターの顔面に限界まで近づくカメラ視点をキープすると、鍵なしでボス部屋へ入れた。
評価などお願いします〜っ




