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壁抜けでいいっしょ(2)

 ついに(?)たどり着いた魔王の間。


 高さが500メートル近くもある魔王城―――その最上階に位置する魔王の間に到達するのにかかった時間は、およそ1分。


 並の勇者なら、魔王城内で何日かキャンプしながら踏破するはずのこの道のりを、ここまでの短期間で登り切ることができたにはもちろん理由がある。


 当然、壁抜けである。しかし、ちょっと応用した壁抜けだ。


 まず、壁抜けで魔王城内壁へとめり込む。めり込みつつ、ケツを規定の角度に傾けると『壁抜けキャンセル』という事象が発生する―――これを利用した。


 壁抜けの終盤辺りでキャンセルを行うと、異世界における俺というプレイヤー情報にバグが発生する。これが面白い結果を生む。


 システムによる()()()()()()だ。めり込んだ壁の中で、俺は空間上部へと高速移動を開始する。


 その結果、俺という情報を処理しきれなくなったシステムは、めり込んだ壁の最高高度まで俺を弾き飛ばすことを選択する。こうして、俺は魔王城最上階までたどり着いたのである。


 魔王の間、というからには恐ろしく爛れた空間を想像していた。で、角を生やした体長5メートルくらいの人型モンスターが『ぐはは、姫を救いたくば私を打ち滅ぼしてみよ』とか言うんだろうなと思っていた。


 ―――違った。


 目の前にあったのは、全く理解不能な光景―――ひらひらのドレスを身にまとった少女によって、巨大な怪物(魔王?)が跪づかされている―――であった。


 うん、何これ? 姫君は? 縄で縛られてるのが通例の姫君は? 隣でぐははと笑う性悪な魔王は?


 エキストラ壁抜けによって、丸裸のまま魔王の間へと到達した俺と豪傑姫君(?)の視線がかち合うのに時間はかからなかった。


 澄んだ青い瞳。それが俺の視線を穿つ。怪訝そうな表情をした彼女は、倒れ込む魔王に手のひらを向けたままで、顔だけをこちらへ向けてこう言った。



「あ、アンタ……今、精霊魔術を使っていたわよね……?」



 精霊魔術……?

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