高難易度ダンジョン『地下』へ(1)
次回、ボス戦でやんす
このダンジョン―――『地下』へ入る前に出迎えてくれた広場にて、あるイベントがあった。
それは『通常入手することのできない重火器(火炎放射器)を用いて、大量のモンスターを駆逐する』という、いわゆるダンジョン攻略開始時の演出だ。
めちゃくちゃな量の骸骨に囲まれ、万事急す……となり、仕方なく『壁抜け』を発動しようとしたところで、いつからそこにあったのか分からん、バカみたいな大きさの火炎放射器が出現した。
火炎放射器を使用し、ある程度の骸骨を塵にすると燃料が切れた。
同時に出現したポップアップ『限定アイテムの燃料が切れた! 今のうちにダンジョンへ入ろう』。これが出た瞬間、俺の身体は半ば自動的に洞窟へと駆り出された……
こういうのも、ゲームあるあるだよな。イベントの時にだけ、通常は使えない高火力武器が使える―――っていうヤツ。
で、イベントが終わったら火炎放射器はぶっ壊れてお預け……何とも勿体ない。
―――俺は、ここで思った。
今、壁抜けしたらどうなる?
ポップアップ『ダンジョンには持っていけないよ!』を無視して火炎放射器を引き続き両手にホールド。
その状態で、すぐさまスクワット35回を敢行した俺。
その結果、通常ならイベント後に手放さなければならない『火炎放射器 エクストラ』をバグらせて、アイテムストレージに格納することに成功したのであった。
これヤバいだろ。世界の均衡変わっちゃうから。
―――バグった火炎放射器は、まさに無敵と言って良かった。
普通ならば、魔道具やら火器の使用には、魔力・弾丸の消費が付きものだ。しかし、バグった火炎放射器にはそれが適用されなかった(?)。本編クリア後報酬の、無限燃料みたいなもんだ。
「いやっほおうううううう!!!!」
弾薬制限の無い重火器は、まさに鬼神。鬼の神と書いて鬼神。いや、もはや鬼の神にもギリ勝てるかもしれない。
全裸のままの男性が、燃料バグの火炎放射器で焼きに来るその光景は、骸骨たちにいささか恐怖を与えただろうか。
『『『ギャアアアアアアアアアア!』』』
狭い通路を、一直線に向かってくるモンスターたち。非常に申し訳ないが、ここで骨粉になってもらおう。ドロップした骨粉は、あとでマグカップの材料にでもするか。




