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呼ばれた理由



『ちょっとこの世界を救ってもらえないかな』


まあそうですよね。

そんな感じの前フリでしたよね。

でも「ちょっと」ってなにかな。

おつかいかな。


「もう一回聞きますね。断ってもいいんですよね」

『うん』

「断ったらどうなるんですか?」

『世界が終わる可能性があるよ』

「手伝ったら?」

『世界が救われるよ』

「……やるしかないじゃないですか」

『そうしてもらえると嬉しいな』


優しい恫喝だよな。


「選ばれた理由、教えてもらえますか」 

『神の勘』

「勘かよ!(いかん、思わずタメ口きいてしもた)」

『別にいいよ。その方が話しやすいし』

「また心を読んでるし」

『読もうと思って読んでるんじゃないんだよね』

「わかりました。で、単なる勘なんですね」

『そう。他には具体的に答えられる理由はないかな』

「なんだかなあ」

『でも神の勘だからね。間違いなく当たるやつだよ』

「スッキリしない! なら選ばれし神託で良くない?」


神は少しだけ考え込んでから答えてくれた。


『まあそうなんだけどさ。それだと重いだろうし、なんか神に選ばれたのだ! とか勘違いする人も多くてさ。君にはふんわりした感じで伝えてみたんだけど」

「ん? 前にも選んだことがあるってこと?」

『そうだよ。キミは10人目』

「世界の危機、多すぎるだろ!」

『いやみんな失敗しちゃってね』

「え?」

『?』

「9人失敗したミッションなの?」

『いや、正確には8人失敗だね。前任者のひとりはまだがんばってるよ』


おいおい。

1000年に渡る100年ごとの試練とかじゃないの!?


『違うよー笑』

「笑うな! めちゃくちゃハードモードだろ! それに神の勘とは!」

『そうなんだよね。凹むわ』

「凹むておい。失恋とかギャンブルじゃないからね」

『上手いこと言うねー』


ダメだ。

勘とはいえど、神に選ばれし者が8回連続ミスるようなミッションだぞ。

オレが成功するはずないだろ。


『そんなことないよ。キミなら大丈夫だ』

「いやいや神の勘で選んだこれまでの人は全員失敗したんでしょ」

『みんな途中で勘違いしたからさ。キミは大丈夫だ』

「なんの根拠ですか!」

『完全に後付けだけどさ。神と対峙してここまで動揺しない人は少ないよ。むしろ会話も楽しめてるだろ』

「まあそれはそうかも」

『たぶんキミはブレない』


なんだよそれは。

でも……見抜いてるかもな。

仕事柄、理不尽な出来事への対応力には自信がある。

その分、自分で筋を違えることは絶対にしない。

よほどのことがない限り約束を違えることはしない主義だ。


『ほらね』

「だから心を読むなって!」

『勝手に届くんだって』

「やりにくいなあ」


まあでも。

先人たちが失敗したのが、増長したり心変わりをしたのが原因ならそれはないだろうな。


『ってことでね。神からの願いを叶えて欲しい』


「……わかりましたよ」

『ありがとう。キミを選んでよかった』

「やれる限りはやってみるとしか言えないです」


神は嬉しそうに微笑んでから私の頭に手をかざした。


白い光が私を包み込む。

しばらくするとその光は私の身体に溶け込むように消えていった。


「これは?」

『神の加護だよ。ステータスと唱えてごらん」


「……ステータス」


すると目の前に半透明の画面が広がった。


「うわっ」


『普通の人間には見えないから気にせずマメにチェックするといい』


藤沢 海/人間(仮)

HP→9,999

MP→∞

攻撃 →9,999

防御 →9,999

魔法→9,999

スピード→9,999

運→9,999


固有スキル/神に選ばれし者

【肉体強化】◯

【魔法全属性】◯

【予知】◯

【マップ】◯

【収納】◯

【時間停止】◯

【語学】◯

【認識阻害/認識変更】◯

【転移/転送】

【コピー】 

【クリエイト】

【神眼】

【タイムリープ】

【譲渡】 

【支援】

【飛行】


「……もしかしてぶっ壊れじゃないのかな」

『よくわかったね。基本性能はかなりぶっ壊れてるよ』

「開き直ってるなあ。数字がなんかピンとこないんですけど」

『人類最強がこんなもんかな』


HP→50

MP→0

攻撃 →20

防御 →15

魔法→0

スピード→15

運→9


「めちゃくちゃだ」

『現時点でキミを倒せる戦力はないね。ミサイルにも耐えられるよ』

「めちゃくちゃだ(2回目)」

『マルのついてないスキルはまだ持ってるだけだよ。そのうち使えるようになるやつね』


よくわからないデータに気を取られていたが、ふと一か所とんでもない記述を見つけた。


「ねえ神さま、人間(仮)ってなにこれ!」

『あーそれね、たぶん「半神」になると思うよ』


なんそれ。


『さすがにここまでくると人間じゃ収まらないよね』

「何だよそれ!」

『いや、さっき言った前任者がとても強い人でね。もう後がないからその人と同じステータスにしてみたんだよ』

「ツッコミどころが多すぎる!」

『どれ? あと一分なら答えられるよ』


「な! ほとんどツッコミどころだよ! えーとそれでいうなら!『もう後がない』ってなに!」


半神ももちろん意味不明!

でもいちばん気になんのはこれだよな。


『あーね、連続で失敗してるからさ。もう次は無いんだよねー。前任者がダメならキミが最後。それで世界は終わりなんだ』


「それ、今になって言うことか!?」


『あ、時間だ。詳しくはナビゲーターから聞いておいてね。あと能力のことは秘密にしたほうがいい。前任者たちそれで殺されちゃったりしたからね」


「は?」


「大丈夫。それもあって強くしといたから。あと、すぐに魔法を使えるようにしておいたよ」


「いやいや!」


「本当なら魔法はXデーまで使えないんだよ。これはかなり無理をした大サービスだからね」


「いやわかんないよ! Xデー? なにそれ」


「あ、時間だ。それじゃあこの世界をよろしく頼んだよ』


「ちょっと待てーーー!」


無情にも神との対話は強制終了したのだった。



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