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熱発症から5日目
赤子の覚醒時の体温が正常時と
ほぼ変わらないくらいに安定していた
状態を確認していると
赤子と目が合った
「キャハ…アバブ……」
「………それはなんだ」
私の方へ手を伸ばし、バタバタと振っている
観測15日目にして初めて泣き声以外の声を聞いた
身体の確認を終わらせ
人工栄養液を与える
…摂取量が増えている
正常時と同じくらいの量
これは完全に回復したと判断して良い段階だろうか
オムツを変え、観察する
動きが増えた
今は己の手を食べるように口に当てている
「お前はまだ腹が減っているのか」
「しかしこれ以上摂取すると嘔吐する可能性があるぞ、やめておけ」
そっと口元から手を外させ清潔な布で拭く
回復した途端
こんなに動くものだとは思わなかった
赤子とは理解不能な生き物だ
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世界番号:20538
該当世界暦:248年◯月◯日
(観測15日目)
【基本情報】
・観測対象:人間(幼体)
・保護環境:シェルター内
・観測継続中
【状態確認】
・覚醒時間:
└ 朝8:27覚醒
・栄養摂取:
└ 種別:人工栄養液
└ 頻度:8回/1日
└ 摂取量:1回あたり正常時と同様の量まで増量
・排泄:
└ オムツ交換頻度:9回/1日
・生命反応:
└ 心拍:正常
└ 呼吸:正常
└ 体温:ほぼ正常
・睡眠:
└ 夜20:21 睡眠状態に入る
【観測対象の身体状態】
・生命反応は全体的に正常値へ回復。
・体温も安定傾向にあり、異常はほぼ解消。
【状態の変化】
・朝の時点で各数値が正常範囲まで回復。
・オムツ交換頻度は大きな変化なし。
└ 排泄物の形状に変化を確認。
・身体の動きが増加。
・泣き声以外の発声を初めて確認。
【行動観察】
・口元へ手を運ぶ行動が増加。
・清潔な布への接触頻度増加を確認。
【判断】
・本日をもって完全回復と暫定判断。
・発声行動の変化は成長過程によるものと推定。
・衛生管理の観点から、清潔な布を増やす必要あり。
【まとめ】
観測対象は熱から回復し、
生命反応・体温ともに安定した。
泣く以外の発声を初めて確認し、
行動量の増加が顕著である。
本観測対象については、
引き続き経過観測を行う。
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