【第41話】後日
読んでいただきありがとうございます。
面白いと思っていただけましたら、ブックマーク、ポイントの方よろしくお願いします。
その後。俺に纏わりついた問題は殆ど解決した。嫌がらせは勿論の事、流れていた噂も悪質なデマとして認知され、次第に風化し今では話題に挙げる人間は殆どいない。
楓がやたら俺と一緒に行動していたのも、性格に難がある俺を更生させる為だったという解釈がなされ、現在楓の株が上昇中だ。
こんな所でアキラの性格矯正プログラムが役に立つとは思わなかった。何故だろうか釈然としない。
そしてもう1つ。俺が日常を取り戻したと同時に、勅使河原は学校へ来なくなった。
あれだけの事があって来づらくなったのかは知らないが、勝手に暴れて勝手に自滅しただけだから同情の余地は無い。
取り巻き達も最初の方は不穏な空気を漂わせていたが、三日もすればなんか楽しそうに学校生活を過ごしていた。
哀れなり勅使河原。笑ってやろう。
そうして今、俺はいつも通り楓、京さん、ヒロト、キノコと一緒に例の空き教室で昼飯を食べている。
正直問題が解決した今、別に集まる必要はないのだが、今更解散するのもあれなのでこれからも集まろうということになった。
「いやあ知らんうちになんか丸く収まったみたいで良かったわ」
アキラは腕を組んでウンウンと頷く。食事中だというのに行儀が悪い帰って欲しい。
「何だお前一仕事終えたみたいな感じ出しやがって。特に何もしてないだろお前」
「荒らされた机の後始末誰がやったったと思っとんねん。最後の方とかお前、先行って片付けとけ言うとったやろ。とんでもないな今思えば」
「まあでも縁の下の力持ちって意味ではアキラ君が一番だよね」
「せやろせやろ」
ヒロト発言にアキラは再び頷く。
「ルビを打つとしたらパシリだけどな」
「お? 慶お前やるんか? 力持ちとやるんか?」
アキラはドヤ顔で俺に詰め寄る。
「お前こそ俺に手を出していいのか? 俺のバックには司法がついてんだぞ」
「そんなもん日本国民全員についとるわボケ」
俺とアキラのやり取りに、楓は口元を隠して笑う。
「やっぱり皆と一緒にいると面白いね。今までとは違った世界が見えてくるよ」
「はい。やっぱりどこか新鮮味を感じます。皆さんとても愉快ですし」
続けて京さんも笑う。平和だなこの場は。
「ちょ、見たか慶。黒崎さんが笑とるで。ちょっと俺と漫才の賞レースに出えへんか?」
「1人で出とけ。それで有名になったら友人面してメディアに出てやるよ」
「ドカスやんけ」
「策士と言え策士と」
こうして日々が流れていく。思えば楓と出会って、俺もある程度丸くなったと思う。
今までは捻くれてるだの何だの言われてきたが、世間一般での真人間に近づいたのではないだろうか。
最近では若い女とおっさんが一緒に歩いていても「パパ活か?」って思わなくなったし、テレビに映るモデルを見ても「性格悪そうだしあと数か月もすれば炎上しそうだな」とも思わなくなった。
これは凄い進歩だ。むしろ悟りを開いたと言っても過言ではない。
「……慶君が自分の事を凄い過剰評価してる気がする」
ハハハ。流石ヒロトだ。俺の事をよく理解してるな。




