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【第29話】不穏な空気

読んでいただきありがとうございます。

面白いと思っていただけましたら、ブックマーク、ポイントの方よろしくお願いします。

 予鈴と同時に弁当を片付け、俺は楓と京さんと別れて教室へ戻った。教室へ戻った時も何名かにジロジロと見られたが、昨日と比べれば数は減っていた。いい傾向だ。

 

 俺はゴブリンみたいな顔で睨み付けてくるアキラと、子猫の様に愛おしいヒロトが食事を取っていた席に向かう。

 

 何を隠そうそこは俺の席だからな。俺がいない所為で完全にダイニングテーブルと化しているが。


「お帰り慶君。今日も黒崎さんとの食事は楽しかった?」


「ヒロト。こいつは今日黒崎さんだけや無く、お前と一緒の中学校やったの金代京さんとも一緒に食べとるんや。昨日あれだけの騒ぎ起こしといてやで。将来絶対浮気するわ」


「ひでえ言い掛かりだな。俺は生涯一人の女としか関係を持たないって決めてんだよ」


「ですってよヒロトさん」


「カッコつけたって口では何とでも言えるよね」


 知らぬ間にヒロトからの俺に対する評価が、浮気のバレた彼氏のそれレベルまで下がっていた。なんてことだ一大事だぞ。


「よお涼川。今日は随分とはべらせてたじゃねえか。あの地味な女は誰だ? 二号にしちゃタイプが違い過ぎだろ」


 まずヒロトからの好感度を回復させる事に集中すべきだ。毎日愛してるって直接伝えて、記念日にはプレゼントを送ろう。直近だとみどりの日か。


「おい。お前聞いてんのか」


「慶。お客さんやで」


「もう居ないって言ってくれ」


「慶は死にました」


「舐めてんのか!」


 俺の机に勢い良く手の平が落ち、大きな音が鳴り響く。なんだか昨日も同じ様な光景を見た気がする。


「うるせえな。誰だよお前」


 耳がキーンってする。鼓膜が痛い。


「知らんのかお前。同じクラスの山崎君や」


「誰だよ」


「慶君体育の時間に話してたじゃん」


 体育の時間。……成程、点と点が繋がった。


「ああ、あいつか。思い出した。で、何の用だ勅使河原」


「誰だそいつ。っち、相変わらずムカつく野郎だ。なんでお前みたいな奴に黒崎が引っ付いてるのか不思議だぜ」


 勅使河原が嫌味ったらしく言う。


「で、それを言うため遠路はるばる、こっちまで出向いたのか?」


「そうじゃねえ。ただ警告しに来たんだ。女癖が悪いと後悔するってな」


「お人好しな所悪いんだが、俺は別に女癖悪くない」


「どうだかな。今日だって早速2号をはべらせてたじゃねえか」


 2号? もしかして京さんの事か? だとしたら大分と最悪な言い方だな。


「2人とも、もうすぐ授業始まるから。ね?」

 

 俺と勅使河原の間に流れていた不穏な空気を、ヒロトが断ち切った。勅使河原は小さく舌打ちをすると「クソが」と小物臭いセリフを吐いて立ち去って行った。

 

 昨日と言い今日と言い、俺が楓とつるんでいるのが相当気に食わない様子だ。


「お前ら早く席に着けー。楽しい楽しい数学の時間だぞー。やたらと文章が長い問題とか解かせてやるからなー」

 

 教室の扉が開き、5時間目の授業を担当する数学教師が入ってきた。そのまま出席を取り、かったるい授業が始まる。

 

 授業で使う筆箱を取り出そうとリュックを開けた時、朝雑に入れた例のプリントが目に入った。その時、俺の脳裏に電流が流れた。

 

 まさかな。流石にそこまで馬鹿じゃないだろ。

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