【第25話】金代さんの様子
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その後の授業も問題なく終了し、放課後が訪れた。俺はヒロトと、塵となって飛んで行ったアキラに別れの挨拶を済ませ、楓の下へと向かう。
「おっ楓」
廊下を歩いていると、丁度こちらに向かって歩いてくる楓と鉢合わせた。
「やあ慶。丁度部活に行く途中なんだけど、君もかな?」
「奇遇だな。じゃあ途中まで一緒に行くか」
「いいね。そうしようか」
俺と楓並んで歩き、互いの部活へ向かう。その間も皆は俺たちに視線を集中させ、完全に注目の的だった。
「そういやお前。あの後大丈夫だったのか?」
「質問攻めだったね。皆口々に『あの男は誰なんだ』とか『どんな関係なんだ』とか色々ね」
「やっぱりか。噂が周るのは早いな」
楓と並んで歩いてるのが目撃されてから半日しか経ってないが、その話は恐らく全校生徒に知れ渡っているだろう。
誤解だと言っても信じない奴らも一定数いるだろうし、これからの対応が思いやられる。
「これで君も有名人だね。これからは注目の的だよ」
「だな。サングラスでもしてこようか」
「それだと余計目立つんじゃないかい?」
「関わりたくない人って思われて逆に平和かなって」
そんな他愛のない会話をしていると、俺の部活場である図書室が近づいてきた。
「じゃあ俺ここだから」
俺は楓と部活が終わったら校門前に集合する約束をとりつけ、図書室へと足を運ぶ。扉を開けると、金代さんがソワソワした様子で部活の準備を始めていた。
「お疲れ金代さん」
俺が後ろから声を掛けると、金代さんはビクっと肩を震わせ俺の方を向いた。
「す、涼川さんこんにちは! 今日もいい天気ですね!」
「結構曇ってきてるけど。というかもしかして金代さんも俺の噂聞いた口?」
「は、はい。涼川さんと黒崎さんは友人関係だという事は知ってるはずなんですが。どうしても、頭の中にもしかしたらって考えがよぎってしまって」
金代さんは両手で頭を抱えて唸る。
「確かに誤解されても仕方ない感じはするけど。前も言った通り俺と楓は単なる友達よ」
「そ、そうですね。そうだと思いたいんですけど。その、何というか」
「とてもそうは見えない?」
俺が答えると、金代さんは小さな声でうなづいた。
「まあ別に無理やり訂正する必要もないけども。楓は別に気にしてないっぽいし。俺ももう割とどうでもいいし」
どれだけ訂正しても誤解したままの奴は絶対いるし。なんか色々面倒くさいし。
「......なんだか、羨ましいです」
金代さんは小さな声で言葉をこぼした。
なんだろう。金代さんも楓と並んで歩きたいんだろうか。
「頼めばやってくれそうだけどね」
「っえ? あっ、もしかして聞こえてましたか? す、すいません」
金代さんは取り乱した様子で頭を下げた。
「いや、そこまで謝らなくっても。楓と一緒に歩きたいってのは今日の反応見ればまあ分かる感情だし」
「あっいや。その、そうじゃなくて」
「ん?」
そうじゃないってどういうことだ?
「その、私も涼川さんと一緒に......やっぱり何でもないです。忘れてください」
金代さんは浮かない顔のままカウンターに向かう。
なんだったんだろうか。気になるけど触れないでおこう。




